過去75年間、私たちは鉄道ストライキをほとんど目にしていない。起こったとしても、多くの場合、地域的に集中していた(例えばニューヨーク)。
今、ストライキが起ころうとしている
先週、列車と機関作業のサービス労働者のグループが、鉄道会社との団体交渉を拒否した。つまり、12組合のうち4組合が、バイデン政権が仲介した協定を否決したのである。両者は12月8日までに協定を打ち出すことになっている。交渉のテーブルについたものの、早ければ2022年12月9日にストライキの可能性が迫ってきている。それまでに合意がなければ、2022年12月9日に12組合すべてがストライキを行う可能性がある。実は、そうした動きを見越して、12月3日以降、爆発性や発火性のある液体を放置する恐れがあるため、一部の化学薬品などの危険な液体は輸送しないことにしている。
全米小売業協会(NRF)は、議会に対して行動を起こし、ストライキを阻止するよう呼びかけを行っている。NRFの社長兼CEOであるマシュー・シェイは、次のように述べた。「何百万人もの勤勉なアメリカ人が、自分たちの仕事と米国の経済的安定を貨物鉄道システムに頼っています。ホリデーシーズンのピーク時に全国的な鉄道ストライキが発生すれば、米国の企業、消費者、そして米国経済に壊滅的な打撃を与えることになります。アメリカの企業や家庭は、すでに根強いインフレによる物価上昇に直面しており、鉄道ストライキはより大きなインフレ圧力を生み出すことになるのです」
困難な時代だが、ストライキをするときではない
現時点では、米国はすでに不況に近い状態だ。労働者は雇用の安定を心配し、経営者は経営の持続可能性を心配している。今は困難な時代だが、ストライキをするときではない。生活はいろいろな意味で混乱するだろう。食べ物は腐り、欲しいものは手に入らなくなる。高速道路は、良い時には商品の流れが保たれるが、悪いときにはすぐに過密状態になる。政府の介入により、ストライキが回避されたり、少なくとも短縮されたりした例もある。国家的な大打撃を避けるために、今行動を起こさなければならない。(forbes.com 原文)