──まったく未知の業種の専門家であるパートナー企業に対して改善の提案をするのは難易度が高いように思います。なぜそれが実現できるのでしょうか?
まずは仲間に恵まれた部分が大きいと思います。
物流改善チームは元々コンサル業界でそういった業務改善の提案をたくさんしてきたメンバーが揃っています。ですので、改善視点をたくさん持っている。さらに言うと、コンサルでは改善の提案までしかできないもどかしさがある一方で、私たちのような事業会社であれば実行まで踏み込める。
そういう意味で非常にモチベーション高く、たとえ異業種であろうと改善提案から実行まで実現してくれるメンバーが揃っています。
もう1つのポイントが徹底的なデータ化です。
改善活動をした結果、それが良かったかどうかはデータで判断する。そのために徹底的に様々な角度でデータを取るようにしています。
例えばクリーニング一つとっても奥が深く、汚れの落ち方は水温や叩く強さ、浸す長さなど、さまざまなパラメーターの掛け算によって結果が変わります。
それらのデータをとって、汚れが落ちきらず再クリーニングする原因が何か、その比率をデータで取っておけば洗い方の改善に繋がったりする。
PDCAを回すために、そのベースとなるデータを持つこと。成功・失敗した原因を可視化することが、異業種の業務改善を実現するうえですごく大事なのかなと思います。
会社設立前に立てた行動指針「9 Hearts」
──組織作りにおいて大切にされていることをお聞かせください。
「会社の文化、作りたい世界観・ビジョンへの共感」を最優先しています。
例えば私たちには「9 Hearts」という9つの行動指針がありますが、実はこれを作ったのは会社設立前なのです。
「法人格」を文字通りの人格と捉え、「行動に一貫性がない人は信頼されない」「だったら人格をしっかり作ろう」と創業メンバー3人で話し合ったのがきっかけでした。
別に正解ではないのですが、私たち経営陣が良いと思うチーム、法人格を表したのが「9 Hearts」です。私たちはこれに共感してくれる仲間を集めたいですし、継続的にこの指針を体現できる組織を作りたい。
ですので採用においては必ず会社のビジョンや「9 Hearts」への共感度合いを確認するようにしていますし、組織においても組織文化について見直すきっかけを意識的に作り出すようにしています。