「3DコンテンツはVR空間で作る」急増する3D需要に応えるアドビ

Substance 3D ModelerはVRヘッドセット「Quest Pro」にも対応している


3Dコンテンツはさらに身近な存在になっていく


今年で創業40周年を迎えるアドビ。同社はDTPからWeb制作、そして動画制作のためのソフトウェアを開発、提供してきた。当初よりクリエイターコミュニティを大切にし、クリエイターの声に耳を貸し、何を求めに応えるべく開発を続けてきたが、3Dデザインソリューション「Substance 3D」はその流れにある。

現在、同社のソフトウェアはCreative Cloudというクラウドを利用しているため、迅速にパッチやアップデートを提供できるだけでなく、利用状況を収集し分析できるためクリエイターたちが求める機能を把握できるという。

現在、IllustratorやPhotoshopなどのCreative Cloudとは別の契約が必要となるSubstance 3Dに関して「CCのユーザーがどれほど興味を持っているか、重複して利用しているユーザーがいるか調べている。50%のディスカウントで1年間使えるのでぜひ試して欲しい」と同社3D&イマーシブ担当バイスプレジデントでAllegorithmic創業者であるセバスチャン。ドゥギはユーザーのニーズに合わせてSubstance 3Dのプランなどを見直しを考えていると述べている。また、「3Dアニメーションツールも検討しているし、いずれスマホでも利用できるようにしたい」とのこと。

Adobe MAX 2022の2日目には、現在開発中で今後、搭載されることもあるし、このまま消えてしまうかもしれない同社の最先端技術、機能を「ちら見せ」してくれる恒例のSNEAKSも行われたが、そこでも3Dに関するものが多かった。

立体へのイラスト合成を簡単にする「VectorEdge」や3D写真を例えば鉛筆画や点描画などのテクスチャーを全体に対して簡単に適用してくれる「ArtisticScenes」などが発表された。


例えば箱の側面に対して、その角度に合わせた貼り付けができるだけでなく、角にも対しても実際にそうであるように画像を貼り付けることが可能。曲面に対してもそれに合わせて合成できる。

ゲームや映画、メタバースといったエンターテインメントからプロダクトデザイン、そしてその先にあるグラフィックデザインにまで3Dの技術が求められるようになった。3Dデザインソリューションはクリエイターのためのもので、私たちには直接、関係ないものだがすでにその恩恵を受けているし、それは今後もっと大きくなっていくだろう。

文=安井克至

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