マーティンスは、生命がなぜ、存在する分子の中から特定の分子を選択したのかも知りたがっている。それは、将来にわたって答えがでるかどうかがわかっていないことの1つだとマーティンスはいう。何が起きたかを垣間見ることはできるが、その質問に答えられる日が来るかどうかはわからないと彼女は述べた。
そして、なぜ生命が前生物化学から本当の生物学の対象へと飛躍できたかの理解が私たちには欠けているとマーティンスはいう。私たちはまだそこに至っていないが、重要なのは、生命が誕生するため必要な、どんな種類の分子がそこにあったのかを理解しようと努めることだと彼女はいった。
地球の生命の起源に関するマーティンスにとって最大の疑問は何か?
いつそれが起きたのか、そしてなぜ、果たして、ここで生命の起源をスタートさせたイベントが起きたのかだとマーティンスはいう。地球で生命が誕生した時と同じような条件が、太陽系の別の場所でも起きたのかどうかには特に関心があると彼女は述べた。
さらにマーティンスは、この地球で生命の進化が2回以上起きたのかどうかにも興味を示している。発生と破壊のサイクルを何度か繰り返したあと、最終的に開花したのだろうか? そして、生命が2回以上進化したことを科学的に証明する手段は、果たしてあるのかどうかも。
それはまだ、すぐに答えることが非常に難しい問題だとマーティンスはいう。サンプルの分析と現地調査、さまざまな化石の調査を続けることで、そこに共通する起源があるのかどうかを見極める必要があると彼女はいう。
地球でどのように生命が誕生したのかを、いつか正確に理解することはできるのか?
どのように、いつ、地球で生命が誕生したのかを正確に知ることができる日が来るのかどうかわからないとマーティンスはいう。しかし、ここで生命が誕生する直前の太陽系の状態についての理解がこれから進むことは間違いないと彼女は述べた。
人類が生命を探すためにこれほど時間を費やしているのに、生命とは何かの厳密な定義を見つけることがまだ非常に難しいというのはなんとも皮肉なことだ。2人の分子生物学者に質問すれば、2つの異なる答えが返ってくることは間違いない。
複製する能力のある自立システムでなければならないというのが非常にシンプルな定義だ。
そして、代謝機能も持つべきであることも明らかだと彼女は強調する。
そうするとウイルスが除外される。ウイルスは本質的に寄生性であり代謝的に不活性だ。
マーティンスの考えは?
新型コロナのようなウイルスがこの地球を定期的に混乱させていても、マーティンスは今もウイルスを生命体であるとは考えない。理由は単純で、自立できないからだ。
(forbes.com 原文)