オウンドメディアの入口はSEO。まずは集客戦略から始めよう
「第三者メディアの終焉を経て、今求められているのは一次情報のオウンドメディア」と語る成井氏は、オウンドメディアが取り組む課題について次のように話す。
「オウンドメディアへの最初の入り口は“検索”。第三者メディアが検索上位に上がってこない現状に加え、この情報過多の時代、せっかくの一次情報でもSEO対策をしていなければ埋もれてしまいます。オウンドメディアをはじめ、SNSやレビューなどのシェアードメディア、広報PR領域のアーンドメディアなどメディアの細分化が進む中で、いかにして検索エンジンで上位表示してもらい、ユーザーに見つけてもらうかが大切です」(成井氏)
情報の海から企業のオウンドメディアを見つけてもらう工夫として成井氏が手がけていることは、大きく3つある。1つめは「集客戦略」、2つめは「トレンド」、3つめは「オリジナリティ」だ。
「まずは集客戦略をしっかり立てること。いきなり直感的に記事を書いても見つけてもらいづらいので、情報にリーチするためのSEO記事制作は欠かせません。これまでの経験から、SEO記事10本、それ以外のブランディング記事2本の計12本を毎月掲載すると、どのようなジャンルでもこの記事数を掲載し続ければ1年後には月間10万PV、月間8万UUは自然流入だけで見込める可能性があります。あとはSNSの活用やRSSとの連携も集客の観点では重要です」(成井氏)
成井氏が手がけた企業のオウンドメディアは月間30万PVが平均で、そこにはジャンルの他にドメインパワーも大きく影響するという。新規ドメインの場合はこの実現までのスピード感が5分の1まで落ちるそうだ。
「2つめの工夫はトレンドを捉えること。コンテンツマーケティングの観点を忘れずに、世間で今何が注目されているのか、何が流行っているのかをしっかり把握した上で、人々が今何を読みたいのかを突き詰めたニーズのある記事を制作することが大切だと思います。
3つめはオリジナリティ。一次情報が重要視される時代、サービスを利用したりモノを購入したりする際に、その企業が歩んできたストーリーを調べるユーザーが増えてきています。オウンドメディアでその企業ならではの特性や開発背景、エピソードなどをきちんと発信していくことで、オリジナリティが光り、数あるオウンドメディアのなかで優勢が取れていくと思います」(成井氏)
これら3つの工夫がオウンドメディアの成長には欠かせないが、ほかにも成井氏が大切にしていることがある。それは「愛を感じられる記事かどうか」という制作側の情熱だ。
「そのオウンドメディアに携わっている担当者やライターが、そのオウンドメディアの一番のファンであることが、オウンドメディアを継続・発展していく上で最も大切にしていることです。それがたとえSEO記事だとしてもです。どんな読者にどんな気持ちになってほしいのか、楽しみながら書いているのか。それは言葉尻に宿っています。そういった制作側の熱意を大事にしています」(成井氏)