ここ「東京エディション虎ノ門」でも、開業以来、“ロビーソーシャライジング”というホテル内での過ごし方が提案され、読書、仕事、コミュニケーションなどを掲げ、ホテルが枠に捕らわれないスペースであると公言している。
「外出しなくても東京のエネルギーを感じとれる場所に成長していくことを望んでいます。それが各地でエディションが成功してきた理由ですから」と語るシュレーガー氏の言葉通りに、カジュアルに、思うままに、贅沢に過ごせるホテルでは、部屋に籠るよりもむしろ、「全てのエディションホテルがそうであるように、仕事と遊び、食事とお酒、会話と思考、単独と社交の境界線はさほど明確ではない」と、氏はホテルの新しいライフスタイルを説いている。
さて、「東京エディション虎ノ門」では食にも力が注がれた。開業以来、オープンが待ち望まれたシグネチャーレストラン「The Jade Room + Garden Terrace」が、2022年10月1日、ついに、静かにそのドアを開けた。
まるで森の中で食事をするようにグリーンに包まれた「Garden Terrace」のテーブル。屋外テラスとしては超高層ビルでは初めてのこと。
世界的にも知られ、華々しい経歴や受賞歴を持つスターシェフ、トム・エイキンズ氏がすべての指揮を執るレストランでは、氏の一皿を待ち焦がれた日本のファンの歓びは相当だろう。
その料理は斬新で繊細、フレーバーや旬の食材味覚にも徹底してこだわり、「日本の文化と料理に根付く変幻自在さと表現の豊かさを称えながら、多様かつ洗練された調理技術によって生み出すコンテンポラリーな和と洋のコラボレーション」という独自路線を貫く料理が提供される。屋内98席、屋外72席、計170名が着席可能なレストランである。
「Jade Room」で提供される洗練された料理。炭火で炙った根セロリのカルパッチョ(左)、イギリス人が週末に楽しむ伝統的料理「ギャモン」をイメージした豚のばら肉の料理(右)、いずれも斬新で独創的、驚きのある料理。
ロビーラウンジは31階、部屋数は全206室(内スイートルーム22室)が揃う。隈研吾氏のデザインでは日本伝統の要素がここそこに垣間見える。仏寺からインスピレーションを得たパブリックスペース、ロビーエリアの二重天井を飾る格子使い、間接照明の優しい色遣いも日本らしい空間だ。
大きなガラス窓に映るのは東京のヴィヴィッドな夜景、「エディション ペントハウススイート」(144平米)のリビングルーム。
客室内の心落ち着くアースカラー遣いはリラックスに最適だが、エディションは本来、“黒とゴールド”がテーマカラーということから、ここ「東京エディション虎ノ門」の1階に位置する「Gold Bar at EDITION」では、アメリカのクラシックカクテル黄金期にインスパイアされた革新的なカクテル類などに加え、贅沢な黒のシルク、ダマスク織、レザー、金属など独特なカスタムデザインに施され、カラーリングだけでも不思議な魅力に惹かれる。
大人の空間Gold Bar at EDITION (ゴールド バー アット エディション)。エレガントさと妖艶な雰囲気が混ざり合う都会の隠れ家は1階に位置。
オリジナルカクテル「Mori Sling」。Fizz & Sling、Sour、Punch、Martini & Manhattanにカテゴライズされ、日本の素材を活かした本格派のシグネチャーカクテルを提供。
新世代のライフスタイルホテル「東京エディション虎ノ門」の存在は、今後、日本の未来型ホテルのカルチャーを変えてしまうのではないか、そう思わせるほど圧倒的なオーラが感じられる。
東京エディション虎ノ門
東京都港区虎ノ門4-1-1
03-5422-1600(代表)