しかし、3年経った今、そのカウンターとも言えるストレスが生み出されていることを感じてる。
例えばミーティング。オンラインではアジェンダ(議題)を提示して実施することで話の脱線がなくなり、「決めたいことは決める」「持ち帰るものはなにか」を画面共有で整理することで質が向上した。1時間のミーティングを50分、40分、30分……と効率良くすることに成功した反面、アイスブレイクトークがなくなり「人柄を知ること」「人との距離感を縮めること」が難しくなった。
もともと、気の利いた言葉をかけたり、タイミングを見計って会うようなタイプでないこともあり、コミュニケーションを行うことを仕組み化しなければ、メンバーの力を発揮させること、仕事しやすい環境を提供することが難しいと考えた。
そこで自分の会社では、月1回実施する「CEOランチ」と「チーム内ランチ」、半年に1回実施する「MEET UP」という、3つのオンボーディング施策を法定外福利厚生として導入した。
特にこだわったのは、この制度の対象を社員だけにせず、フリーランスや複業・副業を行う業務委託スタッフも含めたことだ。働く場所や時間だけでなく、雇用形態にも多様性が生まれている中、プロジェクトベースで関わる人に高いモチベーションで業務にコミットしてもらえるかが、会社としてのパフォーマンスを高める重要な課題と言える。
チーム内ランチの様子。オフィスが入居しているビルで実施し、オフィスに来るキッカケを創出
「CEOランチ」は、直近でグリップをしたいメンバーとの1:1での食事。普段はオンラインでの業務的なコミュニケーションが中心のため、お互いのバックボーンや気になることなどを食事しながらフランクに話すことで、メンバーが抱えている課題や悩みを聞けたり、改めて会社のビジョンなどを伝えることもできる。
一方、「チーム内ランチ」は、これから業務上の関わりが増えそうなメンバー同士、あるいは、対面コミュニケーションが取れていないメンバー同士など、3〜4人の少人数で実施する。
コロナ禍やリモート中心ワークスタイルは、食事会やオフィスでのふとしたコミュニケーションを大幅に減らし、一緒に業務を行うメンバー間にチグハグを生む危険性を孕んでいる。そのために「会う機会」を意識的に設けることは、業務をスムーズに進める一つの重要な仕組みではないだろうか。