ビジネス

2022.11.16

超効率化による逆ストレス コミュニケーション不足はどう解消する?

STEKKEYが推奨する、ストレスフリー・シンキングのフレームワーク

満員電車に乗ることもなく、自宅で業務をし、主な連絡方法はチャットやビデオ会議。コロナ禍を経て定着した新しい働き方は、多くの人が抱いていたこれまでの働くストレスを取り除いた。自分の会社(STEKKEY)でもフルリモートを推奨し、サポートする制度も取り入れてきた。

しかし、3年経った今、そのカウンターとも言えるストレスが生み出されていることを感じてる。

例えばミーティング。オンラインではアジェンダ(議題)を提示して実施することで話の脱線がなくなり、「決めたいことは決める」「持ち帰るものはなにか」を画面共有で整理することで質が向上した。1時間のミーティングを50分、40分、30分……と効率良くすることに成功した反面、アイスブレイクトークがなくなり「人柄を知ること」「人との距離感を縮めること」が難しくなった。

もともと、気の利いた言葉をかけたり、タイミングを見計って会うようなタイプでないこともあり、コミュニケーションを行うことを仕組み化しなければ、メンバーの力を発揮させること、仕事しやすい環境を提供することが難しいと考えた。

そこで自分の会社では、月1回実施する「CEOランチ」と「チーム内ランチ」、半年に1回実施する「MEET UP」という、3つのオンボーディング施策を法定外福利厚生として導入した。

特にこだわったのは、この制度の対象を社員だけにせず、フリーランスや複業・副業を行う業務委託スタッフも含めたことだ。働く場所や時間だけでなく、雇用形態にも多様性が生まれている中、プロジェクトベースで関わる人に高いモチベーションで業務にコミットしてもらえるかが、会社としてのパフォーマンスを高める重要な課題と言える。

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チーム内ランチの様子。オフィスが入居しているビルで実施し、オフィスに来るキッカケを創出

「CEOランチ」は、直近でグリップをしたいメンバーとの1:1での食事。普段はオンラインでの業務的なコミュニケーションが中心のため、お互いのバックボーンや気になることなどを食事しながらフランクに話すことで、メンバーが抱えている課題や悩みを聞けたり、改めて会社のビジョンなどを伝えることもできる。

一方、「チーム内ランチ」は、これから業務上の関わりが増えそうなメンバー同士、あるいは、対面コミュニケーションが取れていないメンバー同士など、3〜4人の少人数で実施する。

コロナ禍やリモート中心ワークスタイルは、食事会やオフィスでのふとしたコミュニケーションを大幅に減らし、一緒に業務を行うメンバー間にチグハグを生む危険性を孕んでいる。そのために「会う機会」を意識的に設けることは、業務をスムーズに進める一つの重要な仕組みではないだろうか。
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文=砂押 貴久

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