テクノロジー

2022.10.17 08:30

投機熱高まる「NFTドメイン」、ドットコムバブルとの類似点も

Getty Images

「イーサリアムネームサービス(ENS)」や「アンストッパブルドメイン」などのNFTドメインネームサービスが、ここ数カ月で急激に存在感を高めている。

NFTドメインは、それ自体がイーサリアムやポリゴンなどのブロックチェーン上でNFTとして発行されるトークンの一種で、インターネットのドメインと同じようにドットで区切られた文字列で表現される。「.nft」や「.wallet」「.crypto」などの末尾を持つこのドメインは、長大なウォレットアドレスを置き換えることができる。

この分野をリードするENSは、ドメインをユーザーのデジタルIDとして利用可能にし、ユーザーのアセットやプロファイルデータを保存し、dApps全体で使用できるようにする。また、ドメインをNFTとして取引することも可能で、OpenSea などのマーケットプレイスで取引されている。さらに、ENSのガバナンストークンは大手の暗号通貨取引所に上場している。

ENSのプラットフォームでは、合計220万以上のENSネームが約55万人のユニークユーザーによって作成されている。OpenSea におけるENSの1週間あたりの取引ボリュームは、9月末に2565ETH(約400万ドル)を記録し、BAYCの1934ETHを上回った。

もう一つのNFTドメインサービスとしては、アンストッパブルドメインが知られている。ENSの場合は、末尾が「.eth」のドメインネームのみに対応しているが、アンストッパブルドメインでは.ethだけでなく「.crypto」や「.wallet」「.nft」などのドメイン名が購入できる。2019年に設立されたアンストッパブルは、累計250万件のドメイン名を登録している。

Metamaskなどのウォレットとの連携


ブロックチェーンゲームやメタバース、DeFi、DAOなどのWeb3アプリケーションでは、分散型のIDとユーザー自身が管理するウォレットが必要になる。ENSとアンストッパブルドメインのアドレスは、MetamaskやRainbow Wallet、Brave Browser、Opera Browserなどの主要なウォレットやdAppsと紐付いている。

これらのドメインは、OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスを通じて取引可能で、NFT市場全体が低迷している中でも、その取引ボリュームは急増している。OpenSeaの月間取引量は1月の48億6000万ドルから8月には5億ドルと、90%も減少したが、同じ期間に、ENSのドメインの取引ボリュームは、465%も急増した。

「NFTドメインは、Web3スペースにおける人々のデジタルIDとして機能する。将来的に、NFTドメインは、あなたのデータのコントロール権を放棄することなく、アプリやゲーム、あらゆるメタバースをまたいで利用可能になるだろう」と、アンストッパブルドメインズ SVPのサンディ・カーターは述べている。
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編集=上田裕資

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