グーグルのStadia終了、同ゲームサービスの開発者にとっても「寝耳に水」

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Google(グーグル)が、クラウドゲームサービスであるGoogle Stadiaの閉鎖に先立ち、Stadiaを通して購入したすべてのハードウェアとソフトウェアの購入分を返金すると決めたのはすばらしい(そして必要な)動きだが、この瞬間までこのプラットフォーム向けにゲームを作っていた開発者への影響は考慮されていなかったようだ。

どうやらグーグルは、Stadiaの停止について、おそらくリークを避けるために開発者に何も伝えなかったようなのだが、その結果、大小さまざまな開発者が窮地に立たされることになった。

この影響を受けた主なグループは、普段なら突然存在しなくなるプラットフォーム向けに開発するリソースを持っていない多くのインディーズ開発者たちだ。このような事態が起こることがわかっていれば、多くの時間と労力と資金を節約することができたはずだ。

また、グーグルからお金を借りていて、払い戻されるかどうか疑問を持っている開発者もいる。



大規模な開発者について、最近Sony(ソニー)に買収された『Destiny』の開発元であるBungie(バンジー)は、普及した在宅でのゲーム開発を支援するためにStadiaを使用している。Stadiaの閉鎖発表は、彼らがまだこのStadiaの技術の使用に関してパートナーと引き続き協力する可能性があることを示しているようだが、それがいつ具体的に話されるのか、この予定されている閉鎖のために当面の計画を変更しなければならないかどうかも明らかになっていない。また、プレイヤーたちそのものについてもだ。Destinyのプレイヤーは毎日5000人がStadiaでゲームをプレイしており、かつては同サービスでフィーチャーされた主要なゲームだった。

また、これまでプラットフォームを毛嫌いすることなく、長年にわたってStadiaのサポートに膨大なリソースをつぎ込んできたUbisoft(ユービーソフト)もいる。彼らもこの件に関しては何も知らされていないようで、自社のStadiaゲームについて「Stadiaでのゲームについては、後日、より具体的にお知らせします」とAxiosに語っただけだ。つまり、本質的には何もなかったのだ。彼らはStadiaのゲームカタログについて何も把握する時間がなかったのだ。

もう1つ苛立たしいのは、文字どおりほんの2カ月前、グーグルはStadiaの消滅の報道を否定していたことだ。

もちろん、グーグル Stadiaのソーシャル・メディア・マネージャーは当時この情報を知らなかったのかもしれないが、これは、グーグルがStadiaを信頼しているといいつつ、にもかかわらず規模を縮小してファーストパーティーの開発を中止するという、いつものグーグルのパターンを反映している。ある日突然、それが真実でなくなり、開発者たちはTwitter(ツイッター)でThe Vergeのニュース速報からそのことを知ることになったのだ。

グーグルはStadiaのストリーミング技術を他の方法で活用し続けたいと述べているが、現在のところ、ちょっとカオスな感じがする。消費者にとっては全額返金されるだけ良いニュースだが、開発者にとっては、どうやらそれはまた別の話のようだ。

forbes.com 原文

編集=Akihito Mizukoshi

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