しかし、これには1つ極めて奇妙な注意点がある。Xbox Game Passで配信されるXbox版『ゴールデンアイ 007』は、昔のように画面分割のマルチプレイができるものの、オンラインマルチプレイは搭載されていないのだ。では、オンラインマルチプレイを搭載しているのは何か? そう、Nintendo Switch版だ。
Microsoft(マイクロソフト)は、ここで何が起こっているのかを明確にすることを拒否している。さまざまな報道機関への複数の声明で、Xbox版の『ゴールデンアイ 007』にはオンラインプレイがないことを確認しただけで、その理由は明かされなかった。
この件に関しては、2つの説がある。
1. 『ゴールデンアイ 007』の発売元である任天堂が、自社版に何らかの独占的な特典を要求しており、それがオンラインマルチプレイヤー機能だった
2. こちらの説は、任天堂のひどいオンラインマルチプレイヤーシステムを中心に展開されている。そもそも任天堂のオンラインマルチプレイヤーシステムは「真」のオンラインマルチプレイヤー機能ではなく、1人が画面分割セッションを主催し、代わりにそのプレイヤーを通じて他のプレイヤーにストリーミングされるというものだ
私は、1つ目の説よりも2つ目の説の方が有力だと思っている。任天堂のオンラインサービスは「ローテク」なので、逆に『ゴールデンアイ 007』のオンラインプレイに対応できているのかもしれない。一方、Xbox Liveを使った伝統的なオンライン対戦やホスティングはもっと複雑で、Microsoft(マイクロソフト)がこの作品のためだけに開発できない / したくないのかもしれない。このようなゲームにオンラインプレイを要求しながら、Xboxでは制限するよう求めるというのは、私には任天堂らしくないと思うのだ。ただし、だとするとマイクロソフトがこの件について一切説明しようとしない理由もよくわからない。それが、その取引について話すことができないような、特権的な部分でない限り。
ともあれ、非常に奇妙なことだ。懐かしくても、1997年のようにスプリットスクリーンで友達を呼ぶより、オンラインで友達とプレイするほうがずっといい。私の友人のほとんどは近くに住んでいないし、私はXboxのコントローラを合計2つしか持っていない。それに、世界で最もオンラインに対応していない任天堂がこの機能を使えるのに、Xboxが使えないというのは本当に変な話だ。それでも、それがどんな不思議な理由であれ、誰も口を開こうとしない。
(forbes.com 原文)