テクノロジー

2022.06.29 16:45

ソニーがついにPCゲーミング市場進出 培ってきた「高画質・高音質」で挑む

ソニーがPCゲーミング市場に本格参入。新ブランド「INZONE(インゾーン)」を立ち上げた

ソニーがPCゲーミング市場に本格参入。新ブランド「INZONE(インゾーン)」を立ち上げた

ソニーがPCゲーミングギアの新ブランド「INZONE(インゾーン)」を立ち上げた。ソニーといえば、すでに世界的な成功を収めているPlayStationのゲーミングコンソールがあまりにも有名だが、インゾーンは「PCゲーミング」に特化する方向で新たな若いソニーファンの獲得を目指す。

インゾーンのブランドを冠する第1弾の製品ラインナップは液晶モニターが2機種とヘッドセットが3機種。一部製品を除き、国内では7月8日から順次販売を開始する。モニターは日中欧米、ヘッドセットは世界各地にも広く展開する。

インゾーンはPCゲーミングに特化した新ブランド


新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの最中は、家の中で快適に過ごすための生活手段を求める人々による「巣ごもり需要」が高まり、家族で楽しめるゲーミングコンソールやモバイルゲームが脚光を浴びた。

かたや、ハイスペックなPCとアクセサリーを揃えて、オンラインゲームにのめり込むコアなゲーマーと、彼らの活躍をeスポーツ大会のオンライン配信等を通じて応援するオーディオエンスは、10〜20代の若年層を中心にパンデミックの影響を受けることなく毎年堅調に伸び続けている。

ソニーはよりストイックに「没入」と「勝利」の体験を探求するPCゲーミングのファンに狙いを定めてインゾーンを展開する。

ソニーの名前はエレクトロニクスのブランドとして世界中に広く浸透しているが、ゲーミングギア業界では初参入のニューカマーだ。先を行く強力なライバルも少なくない。先駆者の背中を追いかける立場となるソニーは、オーディオビジュアルの分野で培ってきたハイクオリティな「画質」と「音質」を実現するテクノロジーを足がかりに差別化を図る。インゾーンが狙うポジションは「ゲーミングギアのプレミアムブランド」だ。


ソニーのテレビ「ブラビア」の開発により培った高画質化技術を搭載するINZONE M9


ノイズキャンセリング機能も搭載するワイヤレスヘッドセットのINZONE H9

「勝利」を呼び込む高画質・高音質


筆者はソニーのオフィスで上位のゲーミングモニター「INZONE M9」を実際に視聴した。本機はソニーの4Kテレビ「ブラビア」の上位モデルも搭載する、高精度な液晶パネルのバックライト制御技術を搭載する。

明暗部のディティールを引き出すパフォーマンスがとても高い。並みのゲーミングモニターであれば「黒つぶれ」する映像の暗部に、隠れている敵や障害物が鮮やかに見える。対戦形式のシューティングゲームで勝利を収めたり、あるいは複数のユーザーどうして同じゲーム空間を共有するロールプレイングゲームを楽しむ際に、インゾーンのモニターは明らかな違いをつくり出せるだろう。

ゲーミングヘッドセットの上位モデル「INZONE H9」にも、ソニーがオーディオヘッドフォンの開発により培ってきた音響技術が活きている。ソニーの豊かな経験値の差を、最も強く感じられる部分が「音づくり」の巧みさだ。音の温かみやつながりの滑らかさが求められるオーディオヘッドフォンに対して、INZONE H9が描き出す音場は息を吞むほどクリアに澄み渡っている。

ゲームサウンドのディティールがグンと勢いよく浮かび上がり、背後から忍び寄る敵の足音は方向までもがよくわかる。視覚と聴覚の両方が究極まで研ぎ澄まされるような体験だった。「この画音一体の上質なゲーミング体験を提供できるブランドはインゾーンの他にない」とソニーの担当者は強く言い切る。


INZONE H9の使用イメージ。ゲームコンテンツのサウンドは、音が聞こえてくる方向や移動感が鮮明に伝わってくる
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編集=安井克至

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