ライフスタイル

2022.09.14 17:00

楽を極めて在宅ワークの質を上げる 「超ミニマル主義」とは


毎日に小さなバカンスを


特に在宅ワークでは、仕事とプライベートの時間の切り替えが非常に難しい。四角氏はどのようにコントロールしているのかを聞くと、「毎日の“小さなバカンス”を大切にしている」という。

小さなバカンスとは、仕事を完全に忘れられる時間=セルフケアタイムのことだ。氏は「自分を取り戻す時間」とも言う。それを朝晩の2回、睡眠の前後に置くことで、気持ちを完全にリセットし、日々の脳疲労の解消を行っている。

「心が喜ぶこと、心安らぐことであれば何をしてもいい」と話す四角氏は、朝晩に次のような時間を過ごしてる。

─朝─
・香りのいいハーブティーやコーヒーを飲む
・朝の光を感じながらゆっくりヨガをする
・冷たい空気を吸いながらウォーキング
・頭に思い浮かぶことを書き出すジャーナリング
・マインドフルネス(簡単な瞑想手法)

─夕方─
・ホルモンバランスが整うセルフマッサージ
・副交感神経優位になる半身浴やキャンドルタイム
・大切なパートナーや家族とくつろぐ
・ゆるいヨガ、ストレッチ、散歩など
・趣味や勉強に夢中になる
・好みの音楽を聴きながらの自宅ディナー


自宅近くの湖畔で家族で散歩を楽しむのが日課。脳のパフォーマンス向上に寄与する歩行瞑想も兼ねている

「小さなバカンスは、あらかじめ何をするかを決め、予定表に入れ込みます。なんとなくだらっとするのではなく、能動的に休むことが重要。仕事の生産性は、気分で決まります。気分を意識的に変えられるかどうかで仕事の成果が決まるんです。また、仕事と小さなバカンスの間に、“儀式”を入れることで、線引きをはっきりとさせます」

“儀式”とは、身を整えるルーティンのこと。例えば、朝は必ず顔と髪を整え、在宅であっても気持ちが上がる服に着替える。夕方はシャワーを浴びて疲れを流し、部屋着に着替える、などだ。一見当たり前にも思える所作だが、リモートワークではおざなりになりがち。

「朝夕の身を整える儀式は、音楽アーティストやアスリートが本番前に行う“繰り返しの動作・決まりごと”や、僧侶の夜明けの “祈り”と同じくらい重要。身が整えば、自然と心が整います。こういった小さなルーティンこそが、卓越した精神力の一端を担うんです」
次ページ > すべてにおいて、“楽”を追求

文=国府田淳

ForbesBrandVoice

人気記事