ライフスタイル

2022.09.14 17:00

楽を極めて在宅ワークの質を上げる 「超ミニマル主義」とは


集中・リラックスにメリハリをつける


四角氏のミニマルな仕事術は、時間管理にも及ぶ。「ポモドーロ・テクニック」をご存知だろうか。イタリア人コンサルタントが開発した時間管理の方法で、25分間の集中+5分休憩のサイクルを繰り返すメソッドである。

「25分だけなら超集中できるし、短時間なので気も楽。25分ごとに自分の生産性をチェックできることも利点です。例えば、企画書作成中に『ある一文どうするかでグルグル逡巡しているうちに頭がボーッとしてしまい、気付いたら30分経っていた……』なんて経験ありませんか? このテクニックなら、このような無益な時間を最小化できます」

超集中と非集中を繰り返すポモドーロ・テクニックは、1日の仕事の流れを組み立てたり、時間にメリハリを付ける感覚を体得するのに有効だが、長期的な目線で四角氏が意識しているのが「ハイライト思考」だ。

「(25分間超集中するように)チャンスのときに全力を注ぎ、ピンチのときには他のすべてを後回しにして踏ん張る。それ以外の時間は(5分休憩のように)呼吸と体勢を整えながら平常モードで働く。そうやって極端なくらい緩急をつけて働く思考法のことです」。これは、氏が大手レコード会社で、ミリオンセールスを連発していた時期に身に付けた、ヒット量産のための技法でもあるという。


ランチ後のパワーナップは、Lafuma「Zero Gravity Outdoor Chair」を使用。アウトドア用なので軽くて頑丈かつ、コンパクトに収納できる

ハイライト思考で働き、“チャンス”や“ピンチ”という大局を乗り越える経験を重ねているうちに、 日々の仕事に流れる“小さな波”と“大きな波”が、手に取るように見えてくる。

「そうなれば、1カ月や1年の中で、力を込めるべき時期と気を緩める時期を、明確に見分けられるようになる。人生におけるハイライトも見極められ、思い切った挑戦ができるようになります」

ビジネスエリートたちは、総じてこのような切り替えに長けている。繁忙期には他を圧倒する勢いで働き、閑散期にはうまく手を抜いてスローダウンし、次の大波に備えて英気を養っているのである。リモートワークでは、自分の裁量で時間をコントロールしやすいからこそ、このようなハイライト思考を駆使して効率よく、楽に仕事をこなしていく必要があると四角氏は説く。
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文=国府田淳

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