ライフスタイル

2022.09.17 17:30

高齢出産でも自然分娩でトラブルなし。 産科医が実践する、母子に優しいお産とは?


妊娠中含め母子はサポートされる存在。罪悪感を抱かず頼っていい


──産後もオキシトシンの力が働いているのでしょうか?
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藤原:妊娠中から出産、産後まで地続きでリラックスして過ごせているので、オキシトシンは出続けていると思います。産後の授乳も、8か月にしてミルクをあげたのは生まれた当日の1回だけで、1人目よりよく出ますし。育児もできるだけストレスを溜めないことを心がけていますね。

日下:もともと妊娠出産を経た子育ては大家族でやることが前提にあるしくみです。いまでもアマゾンやアフリカに住んでいる民族は、村全体で子育てをしていて、もらい乳も当たり前。乳飲児も幼児も親だけで育ててはないんです。妊娠中含め母子はサポートされるものだし、めんどうなことは周囲に押し付けちゃっていい。

藤原:我が家は自宅の近くにマンションを買って母を京都から呼びつけましたから。それくらい頼っていいって日下に言われて、いいんだって思えました。
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日下:家族に頼れなかったら、代わる社会インフラ、保育園はもちろん、ファミリーサポートのような行政サービス、民間のシッターサービスや家事サポートなど利用したっていい。そこに罪悪感は抱く必要はありません。人類の歴史的にもひとり、あるいは親だけで育てるのは困難が生じるしくみになっているんですから。

藤原:あと、産後はどうしても自分のことは後回しになりがちなので、意識して自分をケアして労る時間を持っています。「病は気から」と言われますが、その逆もあって、体が健やかだとメンタルも整っていく。やっぱり心と体はつながっているので、どちらも蔑ろにせず、自己犠牲をしない、ママひとりの時間も大事。

できる限り環境を整えて、頼れる人には頼って、ストレスを溜めないこと。これは妊娠中から産後にいたるまで、ブレずに大事なことだと、自分の2回の妊娠出産の経験の差をもって、実感しています。




※この記事は、2021年12月にリリースされた「柿の木便り」からの転載です。

文=徳 瑠里香 撮影=川島彩水

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