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2022.09.17 17:30

高齢出産でも自然分娩でトラブルなし。 産科医が実践する、母子に優しいお産とは?


実践!「オキシトシンで産む」。12時間を要しても、赤ちゃんは元気に誕生


──出産はどうでしたか?「オキシトシンで産む」ことは実践できたのでしょうか?
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藤原:妊娠中から「オキシトシンで産む」ことを意識していましたから。排便のときもいきまないようにしたり、こまめにストレスケアをしたり。

出産は、予定日の1日前に破水したんですが、そこから天使のたまごでマッサージを受けて気持ちがいい〜ってリラックスして、セルフでお産に効くツボを刺激したりもして。夕方くらいから陣痛がきたんですが、その間もヨガのポーズをして血行をよくしていました。

病院についてからは、「時間の概念を持っちゃいけない」「頭で考えちゃいけない」と言われていたので、できるだけ頭をからっぽにするようにして。妊娠中に研究していたラクなポーズ、大きめのクッションにうつぶせでもたれかかって全身に力を抜く姿勢でだらんと過ごしていました。
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日下:頭で考えるとどうしても血液が脳に行ってしまうのでね。自分の活動を抑制して、消費量を抑え、赤ちゃんがいる子宮に血液を送るためにも、何も考えず、ごろごろ力を抜いて過ごしたほうがいい。陣痛の痛みあるから、完全にリラックスするのは無理なんですけれど。



藤原:結局、息子は頭が大きくてなかなか出てこず、12時間かかりました。経産婦なので5〜6時間かなぁなんてと言われてたんですけどね。時間は見てなかったけど、長かった(笑)。でも、最後はいきまずにするんと誕生。リラックスしてオキシトシンで産むことができました! おかげで長時間かかったものの赤ちゃんに酸素がいかなくなって弱ることもなく、会陰切開も吸引分娩も必要ありませんでした。寝不足ではあったけど、母子ともに元気で、心身への負担は少なかったですね。

日下:無事、オキシトシンで産めましたね。ところで、女性の人生の中で、一番オキシトシンが出ているのはいつだと思います?……胎盤を出すときなんです。地味でしょう。赤ちゃんを出すときの圧力は60〜70mmHgで、胎盤を出すときは150mmHg以上。赤ちゃんが出る前に胎盤が剥がれたら生きられなくなっちゃいますから、胎児より胎盤を出す圧力のほうが強いんですね。つまり、産後すぐはオキシトシンの分泌量も多い。

藤原:だからか、産後すぐに胸のそばに息子がきたのですが、ものすっっっごいいとおしくて幸福感に包まれました。これもオキシトシンの力なんだと思います。


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文=徳 瑠里香 撮影=川島彩水

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