元モデルのニコル・ボルドーとSmashbox(スマッシュボックス)の共同設立者であるディーン・ファクターとデヴィッド・ファクターが設立したロサンゼルスのアート主導型モデルエージェンシーPhotogenics(フォトジェニックス)は、モデルが物理的世界を超えてキャリアをマネタイズする方法を再考するために、アバター部門を開設しようとしている。
この新部門はPhotogenicsのページに掲載されている、スヌープ・ドッグとGucci Loveキャンペーンに参加したセドナ・レッジ、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)モデルのキディ・アキタ・ルー、Calvin Klein(カルバン・クライン)ガールズのThe Fly Twinsなど13人のモデルのフォトリアルな3Dアバター版でデビューする予定だ。最初のクライアントプロジェクトに関しては現在NDAが結ばれているが、ボルドーは「ハイエンドのビューティーブランドや高級ファッションブランド」と交渉中であることを明かしている。
パンデミック時、ボルドーはパリにオフィスを開設し、Chanel(シャネル)やDior(ディオール)、Balenciaga(バレンシアガ)やBalmain(バルマン)といった高級ブランドと仕事をする短編デジタルコンテンツクリエイターの代理人を務めていた。このようなリモートワークの新常識と、デジタル・クリエイティブの人材が急速に育ってきたことが、このアイデアを生むきっかけになった。しかし、コンピュータグラフィックスで生成した画像は彼女の心を冷たくしてしまった。「アバターには、鼓動と使命感を持たせたかったのです」と、彼女はいう。
このプロジェクトを支える技術は、デジタルクリエイティブのパイオニアであるニナ・ホーキンスと3D映像作家のセージ・モレイによって設計された。
「私たちと違って、(あなたが望まない限り)アバターは眠らないし、歳をとらないんです。世界の片側でワクワクするキャンペーンに取り組みながら、自分はもう片側の実世界でほかのことをしているなんてことも可能です。アバターは、あなたが引退した後も、あなたの遺産を保持することができます」と、2人は共同声明で述べている。
ホーキンスの会社Lillium Labs(リリウム・ラボ)は「Embryo(エンブリオ)」というモバイル顔スキャンのアプリケーションを作った。このアプリケーションは、iPhoneのLiDARやTrue Depthカメラ機能を使い、独自の折り重なったアルゴリズムで、画像からワークフローに適した3D形状を作り出す。