自分たちと同じような人々がいるはずだと考えた彼らは、その後の数年間をSNSアプリ「Itsme(イッツミー)」の開発に注いできた。Itsmeは、同じ興味を持つユーザーをマッチングし、人々の間に永続的な友情を育むことを目指している。
「私たちは、世界中の人たちとつながり、安心して新しい人と出会うことができるプラットフォームを作りたかった」とサストリーは話す。
Itsmeの人気はここ最近、急上昇しておりiOSアプリのダウンロードチャートの上位にランクインしている。TikTokでは、10代の若者たちがItsmeを使って人々と会話する動画を投稿し、#Itsmeappのハッシュタグの動画は約2億8000万回も再生されている。
ただし、このキャンペーンは完全にオーガニックなもので、Itsmeの公式アカウントのフォロワー数はわずか1万2200人程度だ。Itsmeによると、現在400万人の登録ユーザーが1日に500万通のメッセージを交換しており、平均的な利用時間は1日に約30分という。
投資家も、Itsmeの人気に注目しており4月14日に同社は、レディットの共同創業者のアレクシス・オハニアンのベンチャーキャピタルSeven Seven Sixが主導し、Third Kind Venture CapitalやAllen & Co.などが参加したシリーズAラウンドで1520万ドル(約16.5億円)の資金を調達したとアナウンスした。Itsmeは評価額についてはコメントしていない。
Itsmeのユーザーは、自分自身を表現するデジタルアバターを通じてコミュニケーションをとっている。同社は、ピクサーのアニメーターであるアンドリュー・ゴードンを起用し、最新バージョンのアバターを開発している。
アバターを中心としたSNSを構築するというアイデアは古くからあるが、近年、オンラインゲームの人気が高まったことで、このトレンドは新たな力を発揮している。アバター関連の有力なスタートアップとしては、サンタモニカ本拠のGenieが挙げられる。同社は、アバターを作成してウェブ上で移動させるソフトウェアを開発するために、1億ドル近くの資金を調達した。