ビジネス

2022.09.14 08:00

企業発信のプロ「顧問編集者」は、なぜ経営者の人柄にこだわるのか

竹村俊助(撮影=藤井さおり、デザイン=中根涼花)

竹村俊助(撮影=藤井さおり、デザイン=中根涼花)

リーダーの想いを言語化し、組織や顧客に伝えていく「情熱の通訳者」に迫る連載。今回は、 WORDS代表取締役の竹村俊助(たけむらしゅんすけ)を取り上げる。

竹村は、ビジネス書の編集者としてキャリアを歩んできたが、2018年に出版社を辞め、WORDSを起業。現在は、企業の「顧問編集者」を掲げ、経営者の思考を文章にして発信、拡散する事業を展開している。

個人のTwitterのフォロワーを、1年半で3000人から1万3000人にまで増やしたケースや、noteで公開した記事に3000を超えるスキがつくケースもある。

竹村は、「企業が伝えたいことと、消費者が求めている情報には乖離がある」と発信の課題を示したうえで、経営者を一人の人間として捉え直すことで、そのハードルを突破することができると主張する。消費者との接点を生み出し方を聞いた。


「企業」の発信は、主観が強い


副業解禁やコロナ禍のリモートワーク移行など、働き方が多様化した一方、組織の求心力の低下に悩む経営者が増えている。社員同士が物理的に離れて働くことがスタンダードになった今、「なぜこの会社で働き続けるのか」という疑問を抱くようになった人も多いのではないだろうか。

 「だからこそ、自社の存在意義やビジョン、その背景を改めて言語化して示すことが、求められるフェーズに入ってきていると感じています。これは従業員に限らず、投資家や消費者に対しても同じです」と竹村は話す。

これまで企業の発信は、主に経営者や広報担当者が担ってきた。トップが事業の展望を語り、広報はプレスリリースを打つ。その情報をどうコンテンツ化するかは、メディア側の仕事だった。

しかし近年はSNSの普及により、企業自身もメディアを持つようになった。ただ、主語が「企業」の一方的な発信は、主観が強くなってしまうことも多い。消費者に響くコンテンツを制作するためには、「編集視点」が必要だと竹村は話す。

「企業が言いたいことと、消費者が知りたいことにはギャップがあります。広報の責務が、企業が伝えたい情報を整理して伝えることならば、編集者の責務は、その情報を読者が読みたい形に編集し、きちんと届けること。

企業と読者のギャップをすり合わせ、接点を生み出す。これが顧問編集者の役割だと考えています」

経営者の年表作りから始める


では、顧問編集者はどのように刺さるコンテンツを生み出しているのだろうか。
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文=小野瀬わかな 取材・編集=露原直人 撮影=藤井さおり

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情熱の通訳者─リーダーの想いを届ける言葉の作り手たち

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