──実際にはどのようなお客さんが利用していますか。
元田:20代の女性が40%、男性が20%、30代が男女合わせて30%ほどで、メインターゲットの20代と30代の方が大半を占めています。
店内ではモバイルオーダーシステムを導入し、注文時に「性別」「年齢」「お酒を飲むか飲まないか」「お酒の場は好きかどうか」といったアンケートを取っています。飲めない人、飲まない人のデータはビール会社としても非常に貴重なデータなので、蓄積されたデータは今後の商品開発にも生かそうと考えています。
渋谷センター街にオープンしたスマドリバー(1、2階が店舗、3階がオフィス)
飲める人も飲めない人も互いにリスペクトを
──今後、スマドリバーに期待することを聞かせてください。
長田:ここからトレンドをつくり、それが本当にカルチャーになればいいですね。飲み会は騒ぐというよりコミュニケーションを深める場であり、飲める人も飲めない人も互いにリスペクトできれば、より楽しめるはず。
そういったカルチャーを渋谷から発信できれば、これまでアルコール関連でネガティブに取り上げられることが多かった街だけに、多くの人に納得してもらえるのではないでしょうか。
渋谷の多様性を受け入れるカルチャーとの親和性によって、より広がっていくことを期待しています。
元田:今後は、大学との連携してスマートドリンキングセミナーも開催していきます。ただ、「適正飲酒をしなさい」と上から目線で注意するのではなく、ノンアルやローアルの商品を楽しんでもらいつつ、スマートドリンキングへの賛同者が増えていくことで、いつの間にか社会課題が解決されるような流れを目指しています。
大学との具体的な取り組みとしては、スマートドリンキングにからめながらSNSでの発信やカスタマージャーニーといったデジタルマーケティングの基礎も学べるセミナーを行おう考えています。そして、そこで出てきたアイデアを実際に実行していこうと思います。
お酒をまだ飲めなかったり、飲み始めたばかだったりする大学生世代との共創であれば、この取り組みをより広められるのではないでしょうか。
「酔っ払って路上で騒ぐのはカッコ悪いよね」という価値観が、渋谷から広がって共感が生まれ、社会全体の課題の解決につながればいいですね。