ロシアのウクライナ侵攻から半年、米国人の見方はどう変わった?

ウクライナ国旗の日のセレモニーイベント(2022年8月23日、ウクライナ・リヴィウ)(Photo by Olena Znak/Anadolu Agency via Getty Images)

ロシアがウクライナへの侵攻を開始してから、8月24日でちょうど6カ月。この半年の間に行われた世論調査の結果を比較してみると、米国人がこの問題について変わらず持ち続けている意識と、大きく変化した見方があることが分かる。それは、どのようなことだろうか──?

・問題の重要性への意識

米Foxニュースが登録有権者を対象に7月中旬に実施した世論調査では、ロシアのウクライナ侵攻を「懸念している」と答えた人は69%。3月の82%から減少していた。3月下旬に米シンクタンク、シカゴ国際評議会が行った調査では、「ロシアの軍事力は重大な脅威だ」と考える人の割合は、1990年以降、最も高くなっていた。

ただ、「ロシアの領土的野心は重大な脅威だ」とする人は、2014年以降、最も多くなっている。ロシアに対して否定的な見方をする人は、ウクライナへの侵攻前から増加していた。米調査会社ギャラップが2月初めに行った論調査では、ロシアに否定的な見方を持つ人は85%で、10年前の44%から大幅に増えていた。

・米政権の対応について

Foxニュースの調査では、この問題に対するジョー・バイデン大統領の対応を「支持する」人は42%。「支持しない」とする55%を下回っている。ただ、政権にとってより重要な問題は、国民が「米国は関与しすぎだ」と考えているかどうかだ。

クイニピアック大学が6月に行った調査では、この問題への米国の対応が「ほぼ適切」だと答えた人は38%だった。残る約6割の考えはほぼ二分されており、「関与しすぎ」「関与が足りない」と答えた人は、それぞれ26%、27%だった。

「適度な対応だ」とする人は、大半の世論調査で最も多くなっている。ハーバード大学アメリカ政治研究センターとハリス・インサイト・アンド・アナリティクスが登録有権者を対象に6月下旬に行った調査では、次のような結果が出ている。

・「ロシアが侵攻を続け、さらに多くの地域を併合しようとするなら、米国はウクライナにさらに数十億ドル規模の兵器支援を行うべきだ」──53%

・「すでに十分な寄付を行っており、これ以上は不要だ」──47%

また、AP通信とシカゴ大学の全国世論調査センター(NORC)が4月と5月に行った調査では、ロシアに対する「厳しい経済制裁を支持する人」「武器供与を支持する人」はそれぞれ約70%、約60%で、どちらも多くなっていた。
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編集=木内涼子

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