田村浩二シェフと肉割烹上の大久保丈太郎シェフは、3キロ近くある合鴨がテーマ。肉のプロならではの見事な手捌きで、大久保シェフが合鴨を捌いていく。
その一方で、香りの組み合わせにこだわりを持つ田村シェフは、ソースを担当。ふたりで味見を重ね、中国茶の最高峰「大紅袍」に、柑橘系の香りを持つ台湾の山椒、馬告を使ったソースに決定した。サイドには、バラの花びらとルバーブのコンフィチュールという組み合わせで、ドンペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008の味と香りの要素を複合的に取り込んだ。
「鴨のロースト 藁の香り マーガオ バラとリュバーブのコンフィチュール 岩茶大紅袍のソース」Mr. CHEESECAKE 田村浩二シェフ、肉割烹上 大久保丈太郎シェフ
「肉のプロならではのさばき方が勉強になりました」と田村シェフが言えば、「秋になるとウチでも鴨を使いますが、伝統的な調理法しかしてこなかった。想像もしなかった香りの組み合わせに感動しました。新しい視点をいただいて感謝です」と大久保シェフ。このコラボレーションは、これからのクリエイションにもつながるインスピレーションをももたらした。
会場を提供し、食材などのコーディネーションも手掛けたunisの薬師神 陸シェフとTACUBOの田窪大祐シェフは、オリーブがテーマ。
オリーブオイルをたっぷり使うTACUBOのシグネチャーのカッペリーニを、キャビアをウニに置き換えて。二人とも愛媛出身ということで、そこにみかんの香りを纏わせた。さらにアクセントに発酵チョリソーのオイルを垂らすことで、海と陸の旨味の対比も楽しめ、ドンペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008のテーマの一つ「コントラスト」を表現。また、2人は他のチームを回りながら、料理方法などについて、積極的に意見交換を行った。
「オリーブとウニの冷製カッペリーニ」unis 薬師神 陸シェフ、TACUBO 田窪大祐シェフ
フェンネル、タコ、仔羊を
午後の部、The Burn米澤文雄シェフと御料理 宮坂 宮坂展央シェフのコンビは、テーマ食材のフェンネルに旬の鰯を合わせた。ライムジュースやラズベリー、ディジョンマスタードなどで酸の印象をたたせた鰯に、宮坂シェフが用意したマグロ節の出汁にフェンネルや万願寺唐辛子などを浸したものを添えた、暑い時期ならではのすっきりとした前菜に仕上げた。
「リハーサルをせずにその場で合わせてゆくセッションは、店で働いているのとは別の感覚で新鮮。ピンポイントで味を合わせていくのは、プロ同士だからこそできること」と米澤シェフは目を輝かせる。
「フェンネルと鰯 夏野菜 出汁ひたし」The Burn米澤文雄シェフ、御料理 宮坂 宮坂展央シェフ