この日、シャンパンを囲んで集まったのは、日本が誇るトップシェフたち。東京・虎ノ門のフレンチレストラン「unis」でドンペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008で乾杯した後、隣のキッチンスタジオ「Social Kitchen TORANOMON」へ。ノリの良いDJサウンドと共に、野菜などで美しくデコレーションされたテーブルが、シェフたちを迎えた。
実は、これらの野菜は、これからシェフたちが作る料理の食材。この日行われたのは、ドンペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008に合う食材を主役に、シェフがチームを組んで制限時間内に料理を作るというイベント「RE:UNION ROSÉ CHEF’S TABLE」。勝敗を競うわけではないが、シェフ同士が対決する、某有名料理番組のような設えだ。
シャンパンをシャンパンたらしめる製法に、「アッサンブラージュ」がある。醸造責任者が、生まれた年もテロワールも異なる「レゼルバ」と呼ばれる複数のワインを、まるで指揮者のようにまとめあげ、素晴らしいシャンパンを生み出すのだ。
それと同じように、年齢もバックグラウンドも異なるシェフたちが生み出す熱気は、まるで異なるレゼルバが一つの会場に流れ込み、華麗な泡立ちを見せながら共演するようでもある。このイベントは午前の部と午後の部に分かれ、それぞれ3チーム、合計15人のシェフが参加した。
帆立、合鴨、オリーブを
午前の部、Abysseの目黒浩太郎シェフとReminiscenceの葛原将季シェフのチームは、北海道・長万部で前日に獲れたばかりの帆立がテーマ食材。カンテサンスで共に修業時代を過ごした2人のコンビネーションは絶妙だ。
事前準備したというストックなどを次々と取り出しながら、葛原シェフが「ただ美味しいだけでは印象に残らない、一瞬、あれ? と思うような意外な味や香りを織り込む、違和感を大切にしたい」と語れば、目黒シェフは、「事前に見たドンペリニヨン ロゼ ヴィンテージ 2008の映像に波が映っていた。泡のソースとホタテで野生的な躍動感を出したい」とそれぞれのイメージを共有する。
「ホタテ 白インゲン 梅 桃」Abysse 目黒浩太郎シェフ、Reminiscence 葛原将季シェフ
「ソースはどうしよう?」と葛原シェフが尋ねると、「1時間あるから、帆立のヒモからとるよ」と目黒シェフ。「やるなぁ。オレが作ってきた白インゲン豆の煮込みを添えるのでいい?」と葛原シェフと早速話がまとまる。まるでジャズのセッションのような閃きが湧き上がり、滑らかに会場内に広がってゆく。