尚乗数科の株価は2日までの5営業日で1500%超跳ね上がり、2日だけでも125%上昇していた。同日には変動の大きさが理由で取引が数回停止されている。
尚乗数科は7月15日にニューヨーク証券取引所に上場。今年に入って同証取で新規株式公開(IPO)した中国企業としては最大となる1億2500万ドル(約168億円)を調達した。IPO価格は7.80ドル(約1050円)だったが、2日の終値は1600ドル(約21万円)あまりと2万1400%も上昇している。
株式時価総額は2日時点で3000億ドル(約40兆2000億円)を超え、バンク・オブ・アメリカやディズニー、コカ・コーラといったビッグネームを上回り、米国で上場している企業としても有数の規模に膨らんでいた。3日の株価下落により時価総額は約2000億ドル(約27兆円)に縮んでいる。
尚乗数科は中国の投資持ち株会社である尚乗国際(AMTD)の完全子会社。尚乗国際もニューヨーク証取に上場しており、株価は今週200%近く上げている。ただ、時価総額は30億ドル(約4000億円)弱にとどまる。
尚乗数科は今週声明を出し、そのなかでIPOの成功について投資家にあらためて謝意を表しつつ、株価急伸の理由になるような「事業や営業活動に関する重要な環境、事象といったものは当社の知る限りない」としている。
すでに「空売り締め」発生か
尚乗数科の株式をめぐっては、ネット掲示板などに集う個人投資家の熱狂的な支持によって株価が高騰するミーム株との類似性が指摘されている。2021年1月ごろには、そうした株としてゲームストップやAMCエンターテインメントなどがもてはやされた。