新型コロナはいま、どれほど危険なのか? 5つの疑問と回答

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自分は安全なのか、それとも危険な状態にあるのか──? 新型コロナウイルスの感染者が再び急増するなか、自分自身や大切な人を守ることと、人生を楽しむこと(そして前向きに進んでいくこと)のバランスをどのように取ればいいのか、悩んでいる人は多いはずだ。

医師である筆者(米最大規模の統合医療システムの一つ、カイザー・パーマネンテ傘下の医療グループの元CEO)が配信するポッドキャスト番組には、新型コロナウイルスに関して多くの人からさまざまな質問が寄せられている。

そこで、最近の配信のなかで最も質問が多かった5つの点と、それに対する筆者の回答を紹介したい。

1. 感染すれば死亡する可能性が高い?


合理的に考えて、ワクチン接種(追加接種を含む)を受けていれば、死亡する確率はインフルエンザと同様に低いといえる。

米国では、主流となっているオミクロン株(BA.5系統)が猛烈な勢いで感染者を増やす一方、致死率は低下している。ワシントン大学医学部の保健指標評価研究所やその他の研究機関は、実際の感染者は報告されている7倍以上と推計しており、それに基づいて計算すると、死者は感染者2300人に1人。つまり致死率は0.04%と考えられる。これは、インフルエンザの致死率およそ0.1%より低い数値だ。

一方、感染者数の違いからみて、どちらにかかって死亡する人が多いかといえば、新型コロナウイルスがインフルエンザを大きく上回ることになるだろう。

2. 感染拡大の割に死者が増えていない理由は?


オミクロン株は変異によって、免疫を回避する力を強めている。そのため、これまでに流行したその他の株よりも感染者が多くなっている。だが、その変異によって、致死性が低下した可能性がある。

例えばオミクロン株のBA. 2系統は、それ以前に出現していた変異株ほど、肺で増殖しないため、人体に重要なその他の臓器にまでウイルスが到達していなかった。また、私たちには重症化や死亡から身を守るための防御機能(細胞性免疫)も備わっている。
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編集=木内涼子

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