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2025.04.08 11:00

人気上昇中のNetflix韓国新ドラマ『悪縁』、期待どおりではないが期待を裏切らない

Jihyeong Seo/Netflix

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韓国の犯罪スリラー『悪縁』では殺人や死体がたくさん出てくるが、皮肉な展開もたくさんある。例えば、ある死体が、次の犯罪のために「リサイクル」されたりするのだ。

冒頭のエピソードでは、イ・ヒジュン(『支配種』、『殺人者のパラドックス』)が演じるパク・ジェヨンが、放火によく似た火事の被害者として救急病院にやってくる。ジェヨンが火事の被害者になったのは、彼が保険金目当てに実の父親を殺すような最低のチンピラだったからだ。

ただ、キム・ソンギュン(『熱血司祭』、『ムービング』)演じる悪名高いギャングのメンバーを汚い仕事のために雇ったのは、ジェヨンにとって大きな間違いだった。悪人に道義心はないのだ。ジェヨンは自分の犯した過ちの代償を払うことになるが、その代償の高さを彼は知る由もなかった。

Jihyeong Seo/Netflix
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彼の命を救った医師が、シン・ミナ(『損するのは嫌だから』、『私たちのブルース』)演じるイ・ジュヨンだ。彼女が、病院に運ばれたジェヨンが数十年前に残酷な暴力を振るった相手であるのは、まさに「悪縁」なのだろうか。悪質な高利貸しや暴力団に脅されながら生き延びてきたジェヨンだが、彼女の手による裁きからは逃れられないかもしれない。悪夢のような過去に悩まされる医師をシン・ミナが生々しく演じている。

Jihyeong Seo/Netflix
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物語は、これらの登場人物と、パク・ヘス(『イカゲーム』、『ペーパーハウスコリア:統一通貨を奪え』)が演じる謎めいた目撃者とを結びつける。彼は、イ・グァンス(『離婚保険』『殺人者の買い物リスト』)演じるハン・サンフンが巻き込まれる事件を目撃することになる。

サンフンは伝統的な医師で、コン・スンヨン(『ファースト・レスポンダーズ 緊急出動チーム』、『不可殺 -永遠を生きる者-』)演じる恋人と車で帰宅途中、誤って人をはねて殺してしまう。もしくは、殺してしまった「らしい」。彼は酒を飲んでいたため警察に通報することはできなかった。

Jihyeong Seo/Netflix
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サンフンと目撃者は取引をするが、どちらか一方にとって良い結末とはならなかった。このダークでコミカルな犯罪スリラーのプロットには回り道が多く、素晴らしい演技がいくつもあるが、その中でも、パク・ヘスが演じる不気味なほど無表情な目撃者と、イ・グァンスが演じるいかがわしい医者との会話は圧巻だ。

このドラマには多くの悪役が登場し、視聴者は登場人物たちの「悪縁」がどのように正当な報いをもたらすのか不思議に思うことだろう。犯罪が積み重なっていくにつれて、見ていて不思議な気持ちになる。全6話のこのドラマは、カカオのウェブトゥーン『アギョン』(チェ・ヒソン著)を原作としている。脚本、監督、演出は、『復讐の記憶』や『華麗なるリベンジ』のイ・イルヒョンが務めた。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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