経済・社会

2022.07.16 12:00

法令4万件の一括見直しは序章。副大臣・小林史明が語るルールの民主化の時代とは


ルールが変われば商機は広がる


──国としては民間企業側にもルールづくりに積極的に関わってほしいと。

小林:「ルールは変えられる」「ルールはつくれる」という前提で自由な発想でビジネスをつくってほしいと思います。「どうせ変わらない」と思わせる、諦めさせる雰囲気がいままでの日本の社会にはあったかもしれませんが、今回、政府は本気でやりますから、信じてもらいたい。

あと、メイキングのノウハウをもっと共有していきたいです。古い規制で仕事や生活に不便がある人は、月並みですがまずは声を上げることです。賛同者を募って、自分一人のことでなく、世の中の大きな声=アジェンダにすること。さらに課題に対して本当に実装可能な解決策を用意する。なんとかしてくれ、でなく、こうしてくれ、と言えるかです。そして、最後に適切な意思決定者に必要な意思決定を促すことです。

そういう意味でも、政治行政の多様性は極めて重要です。様々な専門性をもつ人がいて、民間の提案も取り入れながら、意志をもって加速的にルールを更新していく。意思をもって加速的に、というのが重要で、多様性はそのエネルギーです。いつまでもインターネット以前のルールで不便に生きていくほど、人生は長くない。私たち自身のためにも、未来のためにも、1日も早く、この国のルールにつくり替えたいのです。

こばやし・ふみあき◎衆議院議員(広島7区)、デジタル副大臣兼内閣府副大臣。2007年に上智大学理工学部を卒業、NTTドコモ入社。12年、自由民主党から出馬し衆議院選挙初当選。以来、テクノロジーの進展により時代に合わなくなった規制の改革に注力。総務大臣政務官兼内閣府大臣政務官、自由民主党青年局長、内閣府大臣補佐官などを務めた。

Forbes JAPAN 2022年8月号は、新しい市場創造の手段として、規制緩和や国際標準化の取り組みなど、ルールメイキングの基本から成功パターンまでが一挙にわかる一冊。欧米で注目されている「修理する権利」の推進でGAFAMを突き動かした米iFixit・カイル・ウィーンズの独占インタビューをはじめ、ダイキン工業やヤマト運輸、メルカリ、マネーフォワード、Luupなど、いま最も勢いのある国内外のルールメーカー約40組を公開。合言葉は、「誰にでも、ルールはつくれる、変えられる」だ。

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文=本多和幸 写真=ヤン・ブース

この記事は 「Forbes JAPAN No.096 2022年8月号(2022/6/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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