AI採用ツールは倫理的で効率的か? その長所と短所を考える

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DE&Iを促進するためにAIのバイアスを制限するには


新たな法的要求


2021年、ニューヨーク市議会は、自動採用システムのバイアスを監査する義務づける法案を通過させた。また候補者と従業員の双方に対して、その他の要件とともに、採用や昇進のために自動化された評価・査定を使用していることが通知されるようになる。ATSを利用する企業は、ニューヨークの事例をお手本にして、将来の監査に備えることができる。

バイアス監査


・バイアスの特定:ATSは本質的に、そのポジションに不適格と判断した人に対して何らかの「バイアス」をかけている。人事担当者は、まず得られた結果の中にある、人種、性別、その他疎外されたコミュニティに対する矛盾を特定する必要がある

・正当なバイアスを評価する:排除された応募者を観察するだけでは、AIの出力結果を受け入れることはできない。自動化が生み出したバイアスの中に観察される、差異の根本的な原因は何だろうか?

・バイアスの軽減:採用戦略においてドキュメンテーションは不可欠だ。報告書には、企業の公平性の目標、ATSを使った場合の社会グループ間の不利益、根本原因の特定、判断基準に関する情報などを含める必要がある

職場の多様性と包括性を促進する最も簡単な方法は、特に自動化された採用ツールの使用に熱心な企業にとっては、ATSを多様な人材の採用を促進するために使うことだ。

多様な人材を確保するように求人情報を編集し、応募者の才能と可能性により焦点を当てるために、写真、名前、住所を応募情報から削除することをトラッキングシステムと応募者の両方に要請する。

ニューヨーク市の法律は、早ければ2023年1月に施行される予定だ。企業は各州で同様の規制が行われる場合に備えておくことができるが、そこに留まらず、採用担当幹部はDE&Iを職場の優先事項として位置づけるために、より多くのことを行うことができる。

企業の採用価値の監視を怠れば、多大な時間、費用、評判の喪失を招く。採用戦略の評価と監査は、公平性と透明性を保ちながらプロセスを合理化する、さまざまなAIツールを検討する機会だ。

公平な採用、昇進のプロセスは、チーム内の信頼と士気を高め、従業員の定着率を向上させる。

翻訳=酒匂寛

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