以下、自らも車椅子を利用するジョシュア・グリズデイル氏が運営する、車椅子で日本国内を旅行したり、日本で生活する外国人のためのガイドメディア、「アクセシブル・ジャパン(言語は英語)」からの引用で紹介する。
介助者が異性の場合?
海外旅行中にトイレに行きたくてたまらなくなったらどうすべきかは、身体が不自由であろうがなかろうが重大な問題だ。ところが、世の中には車椅子用トイレよりも通常のトイレのほうが圧倒的に多いため、ハンディキャップを抱える人は、そうでない人よりもずっとストレスを感じる問題である。
日本はほかの多くの国々と比べて車椅子用トイレの数が圧倒的に多く、使いやすいのは紛れもない事実だ。世界トップレベルといってもいいと思う。
車椅子用トイレは一般的に奥まったところにある、という国が多い。だが、残念なことに、その広さは車椅子がぎりぎり入れる程度で、介助者のスペースやトイレ内での移動を考慮していないことがほとんどだ。しかも、介助者の性別が異なる場合、男性用と女性用、どちらのトイレを使うべきか迷うことがある。
日本では、こうした問題に対して素晴らしい答えが用意されている。「多目的トイレ」だ。「だれでもトイレ」とも呼ばれている。
だれでもトイレは、公共のトイレの奥まったところではなく、男性用と女性用のトイレの間か、トイレに入ってすぐの場所に設置されている。女性用トイレ側にしか設置されていないこともあるが、気まずい状況になるほど奥に進まなくても良い。ハンディキャップのある人はもちろん、高齢者や幼児を連れた母親も使えるように設計されている。そのため、一般的には次のようなガイドラインが公開されている。
介助者だけでなく、ベビーカーや車椅子も乗り入れが可能な広さで、手すり、おむつ交換台、ベビーチェア、オストメイトがストーマ装具を洗浄するシンク、非常呼出ボタンなどを設置したトイレ
このタイプのトイレを利用するのに、気兼ねはいらない。しかも、電車や地下鉄の駅構内に設置されていることが多いので、いざというときは最寄りの駅(日本は実に駅が多い国である)を探すのが安全策となる。また、観光名所や公共施設、デパート、大型スーパー、公園などでも簡単に見つかる。そして、なんと、新幹線の車内さえある!