たとえば銀座での「次の予定までの隙間時間」に、彼のガイドにならって探してみるのも一興ではないだろうか。同サイトの全面協力のもと一挙公開する。
「地球上でもっとも地価が高い」場所の一つである銀座に、東京でもっとも多くのアートギャラリーが集中していることは意外かもしれない。実際、1平方キロメートルにも満たない中に、実に数百ものギャラリーがあるのだ。ショッピングのメッカであるこの地域は、最先端の建築物が集まるまさに「宝箱」でもあり、その雰囲気がギャラリーをはしごする気分をさらに高めてくれるはずだ。
銀座3大店舗の「中」にさえギャラリーがある。メゾン・エルメスやシャネルは、それぞれ店舗の8階と4階に見事なギャラリーを備えているのだ。
地上数階の高さに「浮かんで」いるこれら壮麗なギャラリーのほかにも、建物と建物の間の狭い空間に隠れていたり、地下に潜んでいたり。銀座のギャラリーの身の隠し方は実に巧みだ。それだけに偶然出くわす奇跡に期待するのは難しいから、あらかじめ知っておくことが大事だ。再訪を誓いたくなるとびきりのいくつかをお教えしよう。
1. 奥野ビル
旧名「銀座アパートメント」。筆者の個人的なお気に入りである。これは1930年代にさかのぼる建物で、当時は高級アパートだったが、今では新進気鋭のアーティストたちの作品を展示するいくつもの小さなギャラリーを擁している。まさかの手動式エレベーターの古風さもムードたっぷりで、アーティスト本人と会って話ができるのも魅力のひとつだ。入居しているギャラリーの展示もさることながら、建物自体の意趣だけでも訪れる価値は大だ。
2. アキオ・ナガサワ・ギャラリー
アキオ・ナガサワ・ギャラリー
国内外の写真作家の作品を展示するほか、限定版の美術書も出版しており、これはオンラインショップで購入可能だ。いつ行ってもなにかしら興味深いものが見られるのは間違いない。
3. 東京画廊
東京画廊
日本初の現代美術画廊。多くの著名なアジア人アーティストがここでキャリアをスタートさせ、のちに世界的名声を勝ち取ったそうだ。また、「ベネッセアートサイト直島」にある「李禹煥美術館」の韓国人作家李禹煥(リ・ウーファン)を早くも1970年代に招き、韓国現代美術の展覧会を企画開催している。2002年には北京・大山子地区にB.T.A.P.(ビータップ)をオープンし、「東京画廊+B.T.A.P.」として活動している。