「持続可能な循環の仕組みを世界に伝えていく場所を作りたかった」
そう話すのは、仕掛け人であるGOOD NEWS代表の宮本吾一氏だ。来たる7月6日に、「GOOD NEWS」という東京ドーム一個分という広大な商業施設をオープンさせる。一体、どんな持続可能な循環の仕組みが展開されるのだろうか。
起点となるのは、社会課題解決型のお菓子として有名になった「バターのいとこ」だ。Forbes JAPANで2018年に記事を紹介した際は、那須のChusという複合施設で一日に30個作るほどの知る人ぞ知るお菓子だったが、今や100人規模の工場をフル稼働させ、全国の販売店に並ぶ人気ブランドに成長した。
バターのいとこは、バターを作る際に大量に生まれ、安価に販売されていたスキムミルクを活用することで酪農の課題解決に挑んだが、今回はそれを拡張させ、「観福農」連携というカタチで、商業施設に落とし込む。観=観光、福=福祉、農=農業を指す。
想いを共にする仲間たちと
まずは観光。GOOD NEWSには、酪農が盛んな那須ならではのチーズ工房やソフトクリームスタンドはもとより、地域密着型の花屋や床屋など、個性的な店が集う。加えて東京のONIBUS COFFEE、群馬のアウトドアショップPurveyors、広島のUSHIO CHOCOLATLなど、カルチャー感度の高い店も加わることで、一般的な大型商業施設とは一味違う体験が約束されている。
「お声がけしたのは、数年来、旧交を温めてきた仲間たちです。すべてのお店のオーナーが、どうしたらより良い社会になるのかを常に考え、自然と事業の調和を図っている。ベースとなる想いや考えが同じなので、定期的に情報交換しながら共に歩んできました」と、宮本氏。
例えば、Dear Folks&Flowersは、規格外の花(ロスフラワー)に価値をつける活動を、バーバーヒラヤマは、切った髪の毛を堆肥化する取り組みを、ONIBUS COFFEEは、都内50店舗以上のコーヒーショップと連携してリユースカップを促進するアプリ「CUPLES」を展開。いずれも社会課題の解決に真摯に向き合っている。