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2022.06.16 08:00

独占!音楽業界を救った男 スポティファイCEOの告白


本領発揮のストリーミング市場


スポティファイが米国進出を果たした2011 年、音楽配信の市場規模は世界全体で6 億ドル程度だった。当時はCDやレコード販売、音楽ダウンロードが隆盛で、その規模は124 億ドル。それが20 年には立場が逆転した。音楽業界の市場規模は47%増の216 億ドルにまで成長し、音楽配信は全体の62%を占める134億ドルも売り上げている。有料購読者数も増えており、調査会社MIDiAによると、スポティファイが全体の31%、アップル・ミュージックが15%、アマゾン・ミュージックが13%、ユーチューブ・ミュージックが8%と続いている。

アップル・ミュージック
iPhoneを製造・販売し、アプリマーケットのApp Storeを運営するアップルによる音楽配信サービス。コンテンツ配信サービスiTunesを運営し、ポッドキャストの配信も早くから行ってきながら、スポティファイに水をあけられてきた。同社に独占禁止法違反で提訴されるなど、競合や規制当局の目が厳しくなる中、ポッドキャストの配信環境を再整備するなど、巻き返しを図っている。

アマゾン・ミュージック
コロナ禍でさらに利用者数を増やしたeコマースの世界最大手が運営する音楽配信サービス。日本では、有料のプライム会員は、「Amazon Music Prime」を追加料金なしで利用できる。広告がなく、オフライン再生が可能で、200万曲が聴き放題、という人気サービスだ。ほかにも7500万曲が聴き放題の「Amazon Music Unlimited」という有料サービスも展開している。

ユーチューブ・ミュージック
2021年時点で22億4000万人以上の利用者を抱える「YouTube(ユーチューブ)」が開発した音楽配信サービス。サービス内容はユーチューブとほぼ同じだが、有料サービスの「YouTube Music Premium」の利用者は、広告なしでの再生やバックグラウンドでの音声のみの再生、オフライン再生などが可能。15年に米国でサービスを開始し、日本でも18年から展開している。

ネットフリックス
コロナ禍で世界的に利用者数を激増した動画配信サービス。一時期の勢いは失われたものの、会員数は約2億1300万人を超えるなど、プラットフォームとしては世界規模に成長。ビデオレンタルから動画配信へ事業転換し、さらにデータを使って自社資本による動画コンテンツも制作するようになった歴史がある。今後はeコマースもだが、音声領域への進出も充分に考えられる。
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文=スティーブン・ベルトーニ 写真=グエリン・ブラスク 翻訳=木村理恵

この記事は 「Forbes JAPAN No.092 2022年月4号(2022/2/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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