日本で最初の私立探偵は、1895年(明治28年)、東京・京橋に「岩井三郎事務所」という探偵事務所を開いた岩井三郎であると言われています。岩井は元警視庁の警察官で、日清戦争当時にスパイの摘発を行なった人物と言われており、退職した後に探偵事務所を開設しました。
彼が解決に関わったとされる事件の1つに、1914年1月に発覚した、ドイツの企業・シーメンス社による旧日本帝国海軍高官への贈賄事件があります。
シーメンス社が、旧日本帝国海軍の高官などに賄賂を送り、入札に関する情報を入手して、次々と契約を重ねていたことが判明。しかし、捜査対象は旧日本帝国海軍の高官、そこでスパイの摘発で実績のあった岩井に白羽の矢が立ちました。
岩井は警察官時代に培った人脈をフル活用して、捜査に着手。癒着や入札の抜け道を暴きました。結果、海軍少将と大佐、三井物産の重役などが逮捕され、当時旧日本海軍出身だった山本権兵衛内閣は、国民から批判を浴びて総辞職に追い込まれました。
ちなみに日本最古の探偵事務所である「岩井三郎事務所」は、合併などを経て現在も、ミリオン資料サービスという調査会社として引き継がれています。
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