キャリア・教育

2022.05.16 08:00

休暇は組織の「武器」 休んで強くなるカルチャーを作るコツ


・リーダーが休暇に対する考え方を伝える
・休暇中に仕事をしなくてもよいようにオペレーションを整える
・休暇中のメールには返信しないよう促す
・休暇中のバックアップの体制を決める
・休むことの重要性をみんなで話す
・休暇中、楽しかったことを共有する
・休暇によって生じるコストがあればコストを受け入れる
・休暇により売上も増えると信じる

具体的な例でいうと、私の組織では、メールの署名に下記の文言を常に入れている。こうすることにより休暇中でも返信をしてしまいそうになる強迫観念が薄らぐものである。

「I support healthy work-life harmony. Please do not feel obliged to answer this email if you receive it beyond your working hours.(お互いの勤務時間帯やタイムゾーンが異なる可能性があるため、このメールがあなたの勤務時間外に届いた場合、即日の確認・返信は不要であることをお伝えします)」

打算的に考えすぎずに


リーダーシップとは、ものごとを前に進ませるだけのためのものではない。一人一人が才能を最大限発揮し、新たな価値を生み出したり、変化をもたらすことが日々求められるような時代においては、時には立ち止まり、新たな考え方に触れたり、感じたり、人間が人間らしくあるためにどうするかを考えることも重要である。

休暇をとると戻ってきたときの生産性が上がるとか、よりクリエイティブになるとか、科学的な根拠があることかもしれないが、あれこれ打算的に考えすぎるより、一人一人が自分らしく生きられる組織を作るために休暇という「武器」をどう使うかを考えるほうがリーダーの仕事も楽しいかもしれない。



次なる休暇は夏休みという人が多いだろう。ゴールデンウィークは祝日が多く半ば強制的に休暇を取りやすいものであるが、夏休みは日程が決まっている会社もあれば、自由に選べたり、夏休みという区切りを設けていない会社もあるなど、組織によって考え方はばらばらである。つまりリーダーにとっては「武器」の使い方の自由度が増すわけである。

もちろん、その分難しさも増すだろう。しかしこの武器を使いこなせるようになるときっといいことがあると信じて、夏までの数カ月、チームやメンバーと次の休暇について対話することから始めてみてはどうだろうか。そうすることであなたのチームの価値は間違いなく上がるだろう。

文=西野雄介

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