ライフスタイル

2022.05.16 18:30

おにぎり・フォー・ウクライナ 飲食関係者とウクライナ人が連帯

鈴木 奈央
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「今回このイベントに参加して、おにぎりを作ることで、母国のために何かができていると嬉しかった。また、ウクライナのために日本人の皆さんが、こんなに一生懸命働いてくれたことに、ホッとしたし、心が温かくなった」とユリアさんは言う。


(右から)ユリアさん、成澤シェフ、WAGYUMAFIAのプロデューサーでもある堀江貴文さん

「世界で最も影響力のあるシェフ」にも選ばれた成澤さんは、ロシアを含め、海外にも多くの友人がいる。今回あえて声をあげ、支援を決めたのには、人道的な視点があるという。

「人として、正しいと思うことをやっていきたい。罪もない子供たちや民間人が殺されているという報道を目にしながらも、日本人の多くは、気の毒だと心の中で思うだけで行動を起こさない。自分たちのできる支援を行っていかなくては。一刻も早く、このような悲惨なことが起きない世の中になって欲しい」

また、このプロジェクトの共同主催者でもあり、3月6日にロンドンで、いち早くボランティアディナーを開催して1万ポンド(約160万円)を超える寄付金も集めた浜田さんは、「僕たちにできるのは、食の持つポジティブなメッセージを伝えること。大切な人のために真心込めて握るのがおにぎり。みんなで握ることで、遠いヨーロッパで戦火を逃れて必死に生きようとしている子どもたちのことを祈りたい。今後、海外でもこの活動が広がっていけば」と話している。



ゴールデンウィーク中の5月2日には、山口県の酒蔵・獺祭と福岡県の寿司店、照寿司の協力のもと第2回が開催され、医療者支援と共に、ウクライナの子どもたちのために、4月開催と合わせて約170万円の募金を達成。今後も、onigiriforukraineは、onigiriforloveと同時開催という形で毎月行われる予定だ。

国籍や思想に関係なく、誰もが食べなくては生きていけない。それは、「人間である」という、地球全体をつなぐ大きな共通項だ。「人として」の世界を考える活動に、国境を越えるメッセージを届ける力があることを信じたい。

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文・写真=仲山今日子

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