「1日15分」の仕事で年収1億円超。新富裕層はブラックカードで何を買うのか

コロナ禍下での経済低迷傾向をもものともせず、新富裕層は活発にお金を動かしている──


去年買ったもの、「730万円の時計」


愛用しているブランドは、エルメスとルイ・ヴィトン。これまでの人生で一番高い買い物は、イギリス車のアストンマーティン。2021年にした一番高い買い物は約730万円のパテック・フィリップの時計など、自分が「いい」と思ったものには積極的にお金を使う。


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年収は1億円を超えるというものの「実は周りの先輩方を見ていても、もっと上を目指したいという気持ちはあるので、まだ、自分はいわゆる新富裕層だという確信は持てていない」という。強いて言うならば、ブラックダイヤモンドカードを所持したタイミングで少しだけ実感が出たそうだ。とはいえ自分で決めた貯蓄額や生活費の範囲を超えることはせず、「投資は貯金の1/3まで」と、不思議なほどに堅実だ。

【ケース2】個人投資家HIDE氏(38)の場合


働くのは1日約15分、年収1億超


一方で、もうひとり話を聞いたエンジェル投資・スタートアップ投資を行うトレーダーのHIDE氏は、「無一文になっても楽しく生きられます」と断言した。営業職や金融の会社を経て、2015年にトレーダーとして独立し8年。1日に働く時間は約15分ほどで、年収は1億を超える。

お金の使い方として最も意識していることは「自分や周りが楽しい時間を過ごせて、良かったと思えるかどうか」ということ。ブラックダイヤモンドに入会したのも同様で、数ある特典云々よりも「最前線の面白いサービスを体験したい」という動機が強い。

「ありとあらゆる遊びを二周くらいして、欲しいものもだいぶ手に入った状態。強いて言うなら食事に使うくらい。最近は天ぷらの神様と呼ばれている銀座の『天ぷら 近藤』にハマっていて、今年に入ってから3回ほど通っています」と、無欲の境地に達している。

以前は月の請求が平均300〜700万ほどだった時期もあったが、今は平均して月100万ほど。「先月はほとんど家にいたので全体で20万円ほど」と、消費行動は落ち着いている。

コロナ禍で収入にダメージを受けたわけではないものの、付き合いなどで夜の街に遊びに行くことが格段に減った影響が大きい。「以前はブランドものを買い漁って着飾って出かけていましたが、今はユニクロやアディダスが好きで、上下スウェット。同じものを何着も持っています」。
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文=後藤香織 編集=石井節子

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