「総資産価値3億円超」の時計コレクション
しかし、コロナ禍前は世界中に探しに行くほどコレクションしている時計には、今でもふんだんにお金を費やし、100以上を数える。ともに世界三大高級時計メーカーである「オーデマ ピゲ」は30ほど、「パテック・フィリップ」は5つほど所持しており、世界限定30本の時計など垂涎のコレクションの総資産価値は、最低でも約3億円は下らない。
興味の有無がはっきりしており、車には現時点でそこまで興味がない。「歩くのが好きなので、ほとんどタクシーにも乗らず徒歩で移動します。Google社員の友人と、恵比寿から横浜までGoogleMAPを使わずに国道1号線を歩いたこともあるほど(笑)」。
散歩を趣味とし、毎日の食事も自炊が多く、UberEATSなどは使ったことがない。チェーンの牛丼店や富士そばなどにも普通に入る。「個人で何十億という資産を持っていた師匠が、家賃10万円のマンションに住んでいて。僕はその人の後を追っているんだと思います。お金には魔力があって、お金があれば必ずしも幸せになれるわけではない。自分の状態やメンタルが整っていないと、お金と幸福はイコールになりません」。
HIDE氏も、naoki氏同様自分が新富裕層だとは認識していない。「確かに好きなものが買えるし欲望のままに行動はできるけど、上には上がいる。それに資本主義はそろそろ違った形になっていって、お金がなくても楽しく生きられる世界が来そうですよね」。
取材をしたその日も、HIDE氏は上下スウェットで笑っていた。
でも飛行機はエコノミー?
naoki氏もHIDE氏も、いわゆるミレニアル世代で年収1億円をゆうに稼ぎ出す新富裕層であるが、まったく自分が「新富裕層」であるという認識がなかった。それぞれ好きなものにはお金を使うが、使わないところには使わない。服・食事・車と身の回りを高級なもので固めるnaoki氏でさえも「仕事の移動で飛行機を使う際はエコノミークラス」など、有り余るほどの収入を持つ彼らでさえも、お金を使う基準ははっきりとしている。
さらに、両者とも大切にしていることを聞くと「大切な人との時間を過ごすこと」。モノ消費・コト消費に続く「トキ消費」は、新富裕層にも例外ではなかった。