子供たちにウクライナ情勢と平和を教えるために必要なこと

2月28日、シドニー。母親と共に抗議デモに参加していた少年(James D. Morgan/Getty Images)


戦争と身近な成人男性(パパ)との関係


これだけジェンダー平等が謳われる世の中ですが、戦闘員として徴収されるの成人男性。身近な大人の男性(パパ、祖父や先生)と会えなくなるのが戦争。ウクライナの総動員令でも18歳から60歳の男性は出国が禁止され、避難民300万を越えた避難民のうち半数が子ども。ユニセフも「ほぼ毎秒一人の子どもが難民となっている」と指摘しています。

戦争になったら子どもたちは身近な成人男性と会えなくなるかもしれない。ここは繰り返し説明しました。その後、今パパと遊べるのは「平和な国」に住んでいるからという点に落とし込んでみてください。戦争と平和の違いを明確にビジュアライズするためにも、戦争と男性の関係性を説明するは大切かと思います。


ポーランド国境へ向かうバスに乗る娘に別れを告げる父親(Dan Kitwood/Getty Images)

どんな戦隊ヒーローでも戦争に携わってはいけない


男の子家庭だと「僕がヒーローになって倒してやる!」という反応がほぼ必ずあります。我が家もそうでした。最初の頃は何回説明しても、ウルトラマンが倒してやる! の反応……。でもめげないでください! 最終的には戦争に加担すると戦争が拡大するリスクに繋がるだけだと説明しました。

まず、動画をうまく挟みながら「(憧れのヒーロー)が100人いても倒せない位あのおじさんは強い」と憧れのヒーローが解決策にならないと説明。その後、戦闘テレビの世界と現実は違うと繰り返し説明しました(正直、後者は理解してくれたか分かりませんが)数日経った後に長男から「もっと大きな剣を使えば倒せるんじゃない?」と提案があり平和教育が一瞬逆戻りしたのですが(汗)、そこですかさず戦争に加担するリスクを説明しました。

その時たまたま公園で遊んでいたので、「みんなが大きい剣を持ったらどうする? この公園一面が燃えてしまう。あのおじさん(ピクニック中の中高年男性)は顔中怪我をするかもしれないし、あのお友達(パパと遊んでイル子ども)はパパと遊べなくなる。それが戦争」と戦争が大きくなるだけだと誘導しました。

因みに、特に我が家のように子どもが小さいと一気に教えようとすると子どもが混乱します。1日目は国の概念、2日目は戦争とパパの関係性など子どもの興味と集中力次第で分けて教えてみてください。
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文=吉田まゆ

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