マスクは3月21日、「明日から、ギガベルリンで製造された車を送り出すことにエキサイトしている。欧州内で生産を行うことは、資本効率面で大きな違いをもたらす」とツイートした。
テスラは、ベルリン近郊の50億ドルの工場を昨年夏にオープンする予定だったが、何度かの延期の後、ようやく生産を開始した。同社は最終的にこの工場で年間50万台のEV(電気自動車)とバッテリーパックを製造することを目指しているが、当面はサプライチェーンの問題に翻弄されることになる。
マスクは今年1月、「サプライチェーン問題が引き続き生産量を制限する。チップ不足は昨年よりはマシだが、依然として問題だ」と警告した。その数週間後、ロシアによるウクライナ侵攻と工場で使用する水の両方が、さらなる頭痛の種になった。
ドイツのブランデンブルク州の水道局は、ようやくテスラに開業の許可を出したが、この地域の水の供給が「依然として緊迫している」ため、将来の生産量拡大の足かせとなるかもしれない。
しかし、そのような逆風にもかかわらず、ドイツ工場はテスラの重要な資産となり、販売台数を毎年50%増加させるという目標の達成に貢献するはずだ。テスラはここ数年、中国への依存を高め、昨年は生産拠点としても利益源としても、中国が最大になったが、その依存を緩和する上でもベルリン工場は大きな意味を持つ。
ウェブドッシュ証券のアナリストのダン・アイブスは21日のメモで、「テスラにとってギガベルリンでの生産開始は非常に大きな意味を持つ」と述べた。
「中国の工場で車を生産し、ヨーロッパ中の顧客に届けるという現在の体制は持続可能なものとは言えない。ベルリン工場は、欧州におけるテスラの足がかりとなり、今後12~18カ月の間に年間50万台のモデルYを生産可能にするポテンシャルを秘めている」