──チケット販売には、細かく地道な作業も必要と話されていました。
手売りにインターネットと、様々なチャネルでチケットを販売しているわけですが、売れた席、売れる見込みの席を「消し込む」作業、あるいはそれが売れなかった時にまた在庫に戻す作業が必要なんです。この作業を迅速に正確にやらないと、ダブルブッキングや売れ残りが発生してしまいます。
当日券販売のオペレーション、準備も大変ですし、現金の管理もしなければならない。彼はこういった作業を一通り経験して、お客様を呼ぶこととは単に「来てください」という話ではなく、様々な業務が発生することを感じていると思います。
──では、随分気の早い質問だとは思いますが、五郎丸さんがこの先社長になることを、現実として期待できそうでしょうか?
期待できると思います。ただ、社長は有名だからとか既定路線だからという理由でなるものではありません。彼に伝えているのはとにかく「結果を出そう」ということです。
お客様が増えた、スポンサーが増えた、売り上げが上がったといった結果を早く出す。チケットの責任者でもスポンサーの責任者でも、早くそういったポジションに着いて、チャレンジした方が良い、という話をしています。
さっそく来シーズンから、とも言ったのですが、大学院が終わった段階でまた考えようか、みたいな話になりました。ただ中間管理職的なマネージャーは、遅かれ早かれやると思います。そうなってくると、本格的に「数字で評価される」立場になります。
静岡ブルーレヴズ代表取締役社長の山谷拓志氏
──最後に、来シーズン、どういったことを五郎丸さんに期待していますか?
大学院での学びが活動のメインになると思いますが、学んだことを「へえ」で終わらせるのでなく、レヴズという実践の場があるわけですから、すぐ生かしてほしいですね。
また新たに来シーズンに向けて、ファンクラブの責任者になってもらいます。チケットセールスの中の一つの役割ですけど、分かりやすく数字が出ます。成果を数字で測れる業務が始まるわけですので、そこで結果を出してほしいと願っています。
その他、特にお客様との接点作りには自発的に取り組んでくれているので、本当に感謝しています。
今シーズンの90点超から、来シーズンは100点のハードルが上がっていますから、この調子で頑張り続けてほしいですね。
>>連載:五郎丸歩、クラブ経営者への道