五郎丸歩CROが語った、新リーグ・ホストゲーム開幕戦中止の内幕

「静岡ブルーレヴズ」の五郎丸歩CRO (c) BLUEREVS LTD.

「静岡ブルーレヴズ」の五郎丸歩CRO (c) BLUEREVS LTD.

2022年は、日本ラグビーにとって「リスタート」の一年だ。

JAPAN RUGBY LEAGUE ONE(リーグワン)の発足により、試合はホスト&ビジター(他競技でいうホーム&アウェイ)方式に一新され、チケット販売や試合運営も、協会でなくクラブが担う体制になった。

五郎丸歩は現在36歳。ワールドカップ2015の活躍でも知られる元ジャパン戦士だが、2021年のシーズン限りで現役を引退。セカンドキャリアはグラウンドに戻らず、スポーツビジネスの世界に飛び込んだ。

彼が所属していたヤマハ発動機ジュビロもリーグワン発足に合わせ、プロクラブ「静岡ブルーレヴズ」(以下、レヴズ)として再出発を果たした。五郎丸氏はCRO(Club Relations Officer)に就き、ビジネスマンとしての「ルーキーシーズン」を送っている。

しかし、リーグワンのスタートは、コロナ禍で試合中止の相次ぐ厳しいものとなった。レヴズも開幕から3試合、クラブ一丸となって準備を重ねてきた1月23日のホストゲーム開幕戦も中止になった。

波乱の出航を五郎丸氏は一スタッフとしてどう迎えたのか? 今回のインタビューでは、その内幕を率直に語っている。

「無念よりも、失礼のない対応を」


──静岡ブルーレヴズはチーム内に陽性者が出て開幕から3試合が中止、ホストゲーム開幕戦だった第3節・東京サントリーサンゴリアス戦も中止となってしまいました。決定を聞いたときにはさぞ無念だったのではないかと思います。

自分が無念というより、関係者の方々に失礼のない対応を取らなければいけない。それがまず頭に浮かびましたね。

──五郎丸さんもツイッターでお詫びされていました。なぜそのような形での発信をされたのでしょうか?

コロナ禍ですから、お詫びするような案件ではないのかもしれません。とは言え、自分が直接交渉してお世話になっている方、ご協力いただいている方がいました。対戦相手の運営サイドがする苦労も分かっているつもりです。

メッセージが正しいかというより、純粋に自分の気持ちがそうだったので、お詫びという形になったんです。

──実務ではどのような対応をされましたか?

チケット担当のチームに入っているので、とにかくまず払い戻し作業と問い合わせ対応です。シーズンチケットも売り出していましたので、それをどうするか。自分で一からプロデュースした企画チケット「Revs 2 Days Premium」のキャンセルについての対応とご案内もありました。

──企画チケットにはホテル「葛城北の丸」への宿泊も含まれていて、少し複雑でしたね。

キャンセルに関しては、ルール上は100%お客様にお支払いいただくことになっているのですが、事情が事情なので料金はいただけません。全てこちら側が負担させていただきますという対応をしました。

また3月19日・20日に第二弾を予定していますので、その優先的な予約を受け付けますというご案内もしました。そういった細々したところまで、全て対応しています。

五郎丸歩氏が一からプロデュースした、葛城北の丸宿泊付き観戦チケット「Revs 2 Days Premium」
(c) BLUEREVS LTD.
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文=大島和人(スポーツライター) 編集=宇藤智子

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