「感動」の情報発信後には、「特別な価値」の構築へ
このように、ビジネスにおける感動は、偶然生まれるものではなく、戦略的に作りだすものです。ポイントは、入口から出口に向けて設計していくのではなく、「感動」という出口から逆算して「仕組み」を組み立てていくことです。感動作りが巧みな「ディズニーリゾート」では、足を運んだお客さんがSNSでその体験を発信していたり、キャスト(従業員)のホスピタリティの高さも周知の事実です。
前述した「ザ・リッツカールトン東京」では、結婚記念日に宿泊する予定がキャンセルになってしまった夫婦に、従業員がわざわざ自宅までシャンパンとお花を届けた感動エピソードも語り継がれています。
このように、通常の商品やサービスのように、お金をもらって提供するものとは違う「特別な価値」を、企業と顧客との間で共有することで、双方の「絆」がつながれるようになります。そして、その「絆」を絶やさないことが、受注率アップの要です。
「感動」を与えた後には、必ず「お客さまの記憶にとどまる」ことを行ってください。一般的に、消費者の購買決定プロセスは、AIDMA(アイドマ)という言葉で表現されます。まず商品の存在を知り(Attention)、興味を持ち(Interest)、欲しくなり(Desire)、記憶して(Memory)、購買する(Action)のです。
リピーターになってもらうための「記憶」をどう残すか? そのためには、商品やサービスが、どのようにメリットをもたらすかを「言語化」したり、継続的な価値提供につながる「サブスクリプション」や「オンラインサロン」を提案してみる。このようにして、「相手によいことをする」ことで関係を構築し、記憶に残る感動を届けると、「心の絆」が結ばれるようになります。
結果的に、私が「絆徳」と呼んでいる関わり方によって、お客さまのライフタイムバリュー(生涯顧客価値)が最大化される「仕組」が構築され、あなたのビジネスは飛躍的な成長を遂げることとなるでしょう。