これは事実かもしれないが、現在の従業員はさらに貴重なものを優先している。それはワークライフバランスだ。
リンクトインは最近発表した企業文化の刷新に関する報告書「2022 Global Talent Trends(2022年 グローバル人材トレンド)」の中で、柔軟性や労働者の健康を真剣に考えない企業は今日の労働者の期待値を満たせず、人材を失いかねないことを明らかにした。
従業員は新型コロナウイルス感染症の流行により、優先事項や雇用主との関係を再考するようになった。従業員が雇用に求める重要な要素は、従業員の身体的・情緒的な健康を大事にする雇用主の下で働き、柔軟な勤務形態とワークライフバランスの充実を手に入れることだ。現在の会社でこうしたものが評価されていなければ、従業員は会社を辞める準備ができている。
そこで企業は従業員の希望を満たすため、企業文化を進化させようとしている。会社が人材を引きつけ保持し、素晴らしい人材を育てるには、まずは人間として認識されることを望む従業員の期待を満たすべく、企業文化を微調整あるいは根本的に見直す必要があることが先述の調査で示された。
同報告書は、リンクトイン上で行われる数十億件のやりとりを集めた独自データや数百万件の従業員エンゲージメント調査、現在大きな成功を収めている企業から集めた事例研究を基に、企業文化の刷新をけん引する3つの分野を挙げた。
1. 柔軟性
仕事の世界では、万人に通用する解決策はもはやない。従業員は勤務場所や時間帯、働き方に柔軟性を求めている。例えば従業員は、オフィスでの勤務時間をパフォーマンス指標とするのではなく、成果に注目する企業を求めている。
柔軟性は雇用主にとって重要な価値提供となりつつあり、企業の投稿で「柔軟性」が言及されている場合はやり取りの数が35%増えている。また報告書では2019年以降、柔軟性に言及している求人広告が83%増え、会社の投稿における柔軟性への言及はなんと343%増えたことが指摘されている。
勤務場所や時間にかかわらず全ての従業員に公平な体験を提供し、強力で高機能な文化を構築できる雇用主が、優秀な人材を引きつけ維持できる。同報告書は、従業員が会社の勤務時間や勤務場所の柔軟性に満足している場合、幸せだと答える可能性は2.6倍、その会社で働くことを勧める可能性は2.1倍であることを明らかにした。