2. 幸福・福利
労働者は、仕事に全力を捧げることを推進する企業から、より包括的な幸せを与えてくれる企業に転職している。
従業員は思いやりや優しさ、信頼に根差した人間中心的な文化を好んでいる。同報告書では、仕事で大切にされていると感じた従業員は仕事に満足する可能性が3.2倍、会社を勤務先として勧める可能性が3.7倍であることが分かった。
福利を推進する企業には明らかな強みがある。今回の調査では、女性が会社の福利に関する情報に特に共感していることが示され、「福利」をうたった企業の投稿では普通の投稿よりもやり取りが生じる可能性が41%高まることが分かった。また2019年以降、福利に言及する求人広告のシェアは147%増え、福利に関する会社の広告は73%増えた。
しかし、福利について議論するだけでは十分ではない。報告書は、人々の心や体、情緒の健康を優先する文化の醸成が経営層から始まると述べている。柔軟な働き方や仕事での健康的な習慣を受け入れ、模範として示し、充電の時間を取る共感力あるリーダーが必要だ。
3. 大きな変革
人が大事にするものは新型コロナウイルス感染症の流行により大きく変化し、これが労働市場に劇的な影響を与えている。その結果、企業が自社の価値観や文化を再考する一方、労働者は柔軟性や思いやりの文化、ワークライフバランスを能動的に探すようになったと同報告書は述べている。たとえそれが、現在の雇用主の下を去ることを意味していたとしてもだ。
ニーズが満たされなければ新たな機会を求める意欲が今までに増して高まっているため、転職活動を行う人が増えているのも驚きではない。報告書では、2021年に1件の応募につき閲覧された求人広告の数が2019年の倍であることが指摘されている。
雇用主にとって、企業文化を優先・刷新・推進する必要性は明確だ。報告書によると、企業の投稿で文化について言及がある場合は、求職者から何らかの接触が生じる確率が67%増加した。同報告書は実際、思いやりのある文化を持つことが、新たな人材獲得戦争で大きな成功を収めたい世界中の企業にとって重要な資産となったと述べた。
これはおそらく、リンクトインのトゥイラ・ハンソン最高人材活用責任者(CPO)の一言に要約されるだろう。ハンソンは「企業文化は急速に進化していて、企業がそれに付いて行くには革新を起こし、前進的に考えなければならない。私たちには、各従業員が全力を尽くし最高の人生を送ることができることを可能にする文化や状況を作り出すための貴重な機会がある」と述べた。