「米国で最高の雇用主」ランキング コロナ禍でも教育・医療が健闘

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新型コロナウイルスの流行開始から2年が経ち、職場が大きく変わった今、良き雇用主に必要な条件は何だろうか? 在宅勤務をしている人も、オフィス勤務をしている人も、米国人の求める優先順位は変化しており、求人件数が1090万件に上り、失業率が4%という状況の中で、人々に高く評価される雇用主の条件も変わった。

フォーブスは市場調査企業スタティスタと共同で、従業員からの評価が高い「米国で最高の雇用主」ランキングを毎年作成している。スタティスタは、米国の1000以上の組織で働く6万人を対象に調査を実施。従業員5000人以上の大企業・組織と従業員1000〜5000人の中企業・組織それぞれ上位500組織を順位付けしたランキングを作成した。

ランキング入りした組織の多くは、リモートまたはハイブリッドの職場環境での企業文化はどうあるべきかという難題に取り組んでいる。

バイオテクノロジー大手のジェネンテック(大企業・組織ランキング14位)は、オフィス勤務時代に提供していた寿司の出前や、保育支援、金曜夜のパーティーといった従来の福利厚生に代わり、幹部とのバーチャル「オフィスアワー」や、「プロテクテッド・タイム」と呼ばれる時間帯を設けた。正午〜午後2時のプロテクテッド・タイムは、従業員が誰にも邪魔されることなく休憩したり、仕事をしたりできる時間帯として設定されている。

同様に、電力・ガス大手のサザン・カンパニー(大企業・組織ランキング2位)は、かつては業績の高い従業員や事情のある従業員にのみ認めていた在宅勤務を「大衆化」し、全てのチームがスケジュールを自由に決められるようにした。

調査対象者が評価した項目の中には、ダイバーシティー(多様性)や平等、インクルージョン(包摂性)も含まれる。中企業・組織ランキングで1位となったのはハンドバッグや鞄のメーカーであるヴェラ・ブラッドリーで、職場での性的少数者(LGBTQ+)受け入れや、給与の公平性、取締役の60%を女性が占める多様性が高く評価された。
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編集=遠藤宗生

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