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2022.03.08

バフェットの投資戦略が教える、今が「買い」の米株式銘柄

Daniel Zuchnik/WireImage

ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイは、2月26日に発表した2021年第4四半期および通期の決算で、同社の第4四半期営業利益が前年同期比で45%増の72億8500万ドルに達したことを明らかにした。

バフェットは、価値を創り出すすべを心得ている。何しろ60年にわたり、価値創出に身を捧げてきた人物だからだ。

そして今、「オマハの賢人」ことバフェットは、投資家に対して成功への道筋を示してくれている。その戦略とは、キャッシュフローが堅調な企業に着目し、これらの企業が潤沢な資金をどう活用するかに目を向けるというものだ。つまり、「自社株買いの時代」が来たのだ。

そんななかで、投資家が株式の購入を検討すべき企業が、保険会社のチャブ(Chubb)だ。その理由を以下に説明しよう。

バフェットは、時代を象徴する、最も大きな成功を収めた投資家として広く認められている。1962年にバークシャー・ハサウェイの経営権を取得して以来、バフェットは、当時すでに斜陽産業だった繊維業を営んでいた同社を、米国を象徴する投資持株会社へと変貌させた。ネブラスカ州オマハに本社を置くバークシャーの株は、今やニューヨーク株式市場で47万9345ドルの値をつけている(クラスA株、2月25日の終値)。

バークシャーを率いてきたこの60年間のほとんどの期間、バフェットは保険、金融、工業、一般消費財セクターの事業を営む非公開および公開企業の株式を取得してきた。さらに米国外の企業に投資した実績もあり、2008年には中国の電気自動車(EV)メーカー、BYDの株式を7.7%取得している。

米証券取引委員会(SEC)に2月14日付で提出された報告書によると、現在バークシャーがかなりの割合の株式を保有している企業には、コカ・コーラ、クラフト・ハインツ、アメリカン・エキスプレス、バンク・オブ・アメリカ、アップルなどがある。

今挙げた企業はすべて、フリーキャッシュフロー(純現金収支)を潤沢に生み出している。

キャッシュフローは、投資価値を判断する上で、バフェットが設けている第一の基準の一つだ。キャッシュとはいわば、身を守るための備えのようなものだ。バフェットの有名な金言の一つに、「誰が裸で泳いでいるかわかるのは、引き潮になった時だけだ」というものがある。

これらの投資先企業について、投資家が知るべき要素は他にもある。それは、経営陣が公開市場において、自社株を恐るべき速さで買い集めている点だ。

自社株買いは、株式の総数を減少させるので、1株あたり利益を押し上げる効果がある。1株あたり利益の動向は、投資アナリストが絶えず注目している指標の一つだ。さらに、自社株買いは配当と並んで、株主に利益を還元する手段だと、一部では考えられている。

アップルは2021年第4四半期だけで、200億ドル相当の自社株買いを実行した。2021年の通年で見ると、買い入れ額は855億ドルを超える。

また、バークシャー・ハサウェイ自身の第4四半期決算でも、自社株買いを行ったことが報告されている。同社はこの四半期に、69億ドルを自社株買いに費やした。さらに、通年での総額は275億ドルと、2020年の220億ドルからさらに増えている。それでも年次報告によると、2021年末の時点でバークシャーの手元にある現金は1467億ドルに達する。
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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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