経済・社会

2022.02.12 12:30

世界の難民危機が悪化、対策はどうあるべきか

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難民をめぐっては、2022年に入ったばかりですでに、もうたくさんだと思うほどの懸念すべきニュースが舞いこんでいる。世界規模の難民危機は、これまでにないレベルに達している。

国連は2022年1月はじめ、アフガニスタンにいる2200万人と、近隣5カ国にいるアフガン難民570万人を支援し、同国で本格的な人道危機が起きるのを防ぐ資金として、各国に50億ドル以上の拠出を要請した。

この要請は、1つの国に対する支援としては過去最大規模だ。また、同じく1月はじめには、バングラデシュにある2カ所の難民キャンプが2回にわたる火災に見舞われ、家屋数百棟が焼失したほか、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療センターと2つの学習センターも大きな被害を受けた。

そのうち1件の火災では、350棟近くのシェルターが破壊され、2000人近くが被害を受けた。バングラデシュ各地の難民キャンプでは、100万人を超える難民が生活している。

同じころ、ナイジェリア北西部では、武装集団の襲撃により200人以上が殺害された。この襲撃により、わずか1週間で1万人以上が故郷を追われて難民になった。ナイジェリア北西部では、村や学校に対する襲撃が新たに増加していると報道されている。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の推計によれば、故郷を追われた人の数は世界中で8240万人にのぼる。そのうちの42%は子どもだ。2021年上半期に起きた紛争や暴力によって、国内で避難を余儀なくされた人は5100万人にのぼる。

新たな難民のほとんどはアフリカに集中している。これには、「コンゴ民主共和国の130万人、エチオピアの120万人」が含まれる。

難民危機が悪化する一方で、迫害を逃れようとする人たちを支援するための包括的な解決策はほとんど提供されていない。根本的原因に取り組み、人々が母国を逃れなければならない状況を緩和もしくは一掃するための試みも同様だ。

難民支援のための包括的対応の欠如は、今に始まったことではない。それどころか我々は、残虐なナチス政権が引き起こした難民危機への対応の失敗から何も学んでこなかった。
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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