エッツィーCEO ジョシュ・シルバーマン(Roy Rochlin/Getty Images)
逆のことをする
小売市場は、アマゾンやウォルマート、ターゲットといった巨大企業の独壇場だ。だがこの市場に隙間を見つけたのが、手作り品やビンテージ品の電子商取引サイトを運営するエッツィー(Etsy)のジョシュ・シルバーマンCEOだ。
新型コロナウイルスの流行により人々の自宅がオフィスや教室、遊び場に変わる中、シルバーマンは、ユニークな手作り品の需要が高まると考えた。昨年10月、フォーブスに対し「私たちの理念は、商取引の人間味を保つことだ」と語った。
大量生産品を安く迅速に売ることはアマゾンやウォルマート、ターゲットに任せ、エッツィーではテクノロジーを駆使し、ユニークな手作りの工芸品を提供する方針を取った。小売大手も使用する最新鋭の人工知能(AI)やデータサイエンス、マーケティングツールを使い、多様な手芸家(多くは女性だ)のコミュニティーに力を与えた。
エッツィーは、自宅に缶詰めとなった人々が求めていたユニークな家具や芸術作品、玩具を販売し、2020年の売上高は前年比111%増の約17億ドル(約2000億円)に到達。同時に、前例のない失業やロックダウン(都市封鎖)、混乱の時代に副業を始めた多数の人々に、重要な収入と目的を与えた。