あのとき、韓国大統領府も外交部も後始末で大変な思いをした。韓国政府関係者の1人は当時、「文在寅政権の頭にあるのは北朝鮮だけ。北朝鮮に影響がある米国や中国のことは気になるが、日本なんて全く関心がない」と語っていた。韓国政府は今回、日本大使館などが大統領ギフトを返送しても、特別に強い反発は示さなかった。韓国側の関係者の1人は「不注意から起きた出来事で、ローキーで済ませようという方針になった」と語る。
結局、ギフトも独島エビも、自分のことばかりを考える「ネロナンブル(自分がやればロマンスだが、他人がやれば不倫。自分勝手の意味)」が引き起こした問題だったと、日韓関係筋の1人は語る。そもそも、トランプ大統領を招いた歓迎夕食会でも、在韓米国大使館は事前に、「トランプ氏はゴルフが好きだから、韓国人女子プロゴルファーを招いたらどうか」「料理はケチャップとハンバーガーは欠かせない」などとアドバイスしていた。しかし、韓国側はこの忠告には耳を貸さず、「韓国伝統の醬油につけ込んだ肉料理」「世界に冠たる韓流音楽」などを提供した。強行軍で来韓した米国関係者は耳慣れない音楽に疲れ、途中でうたた寝する人も出る始末だったという。
夕食会から4年以上経って、文在寅政権はまた同じ失敗を繰り返した。任期はもう100日しか残っていない。バイデン米大統領は今年前半、日本や韓国を訪れる見通しだが、それは文大統領が退任してからの話になりそうだ。文政権には、もう少し、日本に関心を持ってもらいたかったが、今さら詮無い話なのだろう。
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