これは、ようやくといったところだ。米国の硬貨には長年の間、女性が使用されておらず、リーダーになれるのはどんな人物なのかについて子どもたちの中に強いイメージを植え付けていた。
今年の25セント硬貨のデザインとして選ばれた女性にはアンジェロウの他、宇宙に行った初の米国人女性サリー・ライド博士、先住民族チェロキー初の女性首長であるウィルマ・マンキラー、ニューメキシコ州の婦人参政権運動を率いたニナ・オテロウォーレン、中国系米国人初の映画スター、アンナ・メイ・ウォンがいる。
5人の肖像は硬貨の裏側に使用され、表側にはジョージ・ワシントンのデザインが残される。米造幣局が現行の流通貨幣とみなす硬貨の中で、表側に女性がデザインされているものはない。過去には、婦人参政権活動家のスーザン・B・アンソニーが主なデザインに採用された1ドル銀貨が1979年に発行されたり、探検隊を先導した先住民女性サカガウィアの1ドル硬貨も製造されたりしたこともあった。2003年には、ヘレン・ケラーの25セント硬貨が発行された。
米ドル紙幣のデザインに使用されているのは男性のみだ。米財務省はオバマ政権時代、20ドル札に使用されているアンドルー・ジャクソン元大統領を奴隷解放運動家のハリエット・タブマンに変える決断を下したものの、トランプ政権下になると、偽造の懸念により発行が遅延。現在は2030年の発行が予定されている。
現在の米紙幣は1ドル札から100ドル札まで、白人男性の肖像ばかりが使用されている。結果、子どもたちは紙幣では白人男性のみ、硬貨ではほぼ男性の顔を目にしている。これは、米国の価値観や優先事項、男の子や女の子に対する期待に関し、強いメッセージを送るものだ。